天草の川野さん、ご縁があって、毎年この季節になると新鮮な甘夏を送っていただいています。箱を開けたとたんに目に飛び込んでくる、初々しい黄色いミカンたち。
そして、毎回必ず同封される川野さんからのお便り。
川野さんからのお便りが読みたくて、ワクワクしながら今日も箱を開けました。
素敵なお便りを紹介させて下さい。
こんな素敵なみかん山で育ったみかんたち…美味しくないはずがない!!!
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夏、みかん山で。
木を被ったツル草を鎌で切り払っていた時、ブーンとあのスズメバチの鋭い羽音、一匹の見張り蜂が藪から飛び出し、一直線に私の額をめがけ、小さな弾丸となってやってくる。大きなギョロリとした目。1mもない。ヒヤァーとすっとんで逃げる。手に持った鎌を高く上げて、ぐるんぐるん回しながら走る。一目散。と言っても草の畑の中、長靴がもつれる。いつもなら3~4mも離れると蜂は追跡をやめてくれるのだが、ブーンという音がいつまでも消えない。超スピードで私の周囲を旋回しているようなのだが姿が見えない。一瞬、音が消えやれやれと足を止めると、また近くでブーンである。
姿が見えない恐怖が湧いてくる。しつっこいな、こんなしつっこい蜂は初めてだ。虻かな?虻は叩き殺されるまで、うるさくまとわりつくが蚊と同じ位のぶんぶんだ。威嚇はしない。怖くなって農道に止めた車に逃げ込む。ほっとする間もなく車の中からまたブーンが聞こえる。えっ、そんな事があるか?不気味さに車から飛び出し、車の窓を開け放ち様子を見る。
そうして蜂の姿を再度確認することなく、仕事をやめ家へ帰ったのだった。
夏が終わり、秋も過ぎ冬。蜂の巣がかかっているだろうその木を被っていた草々も枯れてしまった。その枯れ草のぼうぼうを切り払っていくと、あった!スズメ蜂の巣が。
大きく完成し、主の居なくなった焦げ茶と白の波模様の巣。いつもは、芸術作品だなあ、美しいなあと両手に抱えてながめているのだが、夏のあの恐怖がかえってくる。
茂みの中で、からからと空虚に鳴る音さえ不気味だ。巣がかかっている枝を切る。
地に落ちた巣がまたカラカラと鳴る。冬の枯れ草原にころがっている様も異様に大きく見えて、その音は地の底から響いてくるように聞こえるのだった。
みかん山を長靴でのしのし歩く。冬草が毎日の霜にめげずやわらかく、やわらかく萌えている。
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川野さんの甘夏を使った商品をパン屋さん、ぷかぷかさんのおひるごはん、おひさまの台所、焼き菓子工房のそれぞれのお店で、ただ今考案中。
楽しみにしていてくださいね。
そして!!!川野さんの作った新鮮そのもののミカンたちを皆様にもお届けしようと思います!
おひさまの台所前で、甘夏、清見、パール柑を販売いたします。
大地の恵み、川野さんの愛情のこもったミカンたちを召し上がってください!
これは、食べなきゃソン!です。