1月3日の日記「練習をたくさんしなければ……押しつけてはいけない」
に辻さんのお母さんが下のコメントを書いていたので、これをもう少しふくらませて書いて下さい、とお願いしました。
《 どれだけ既存概念の呪縛に囚われているのか、33年彼と付き合ってても、ハッとします。日々自分と向き合うこと促してくれるうちの麿さまに感謝! 》
で、帰ってきたのがこれ。
《 花岡さんといい、この方といい、すごく早い段階からあるがままのお子さんの姿を捉えていて、すごいな、と思います。
私なんか、妙に真面目で頑なところがあり、小学校はアメリカで過ごした割には、いや、かえって日本に帰国してから強烈に規範に従うように反動がきたのか、ともかく「人間はコツコツ努力するものだ」「社会の中で迷惑をかけてはいけない」という思いに随分長い間捉われていました。
でも、克博はコツコツ努力する、というよりパッと直感的に物事を捉えてその時々に柔軟に楽しむ、ということの方が得意なのです。社会に迷惑をかけてはいけない、という規範も考えてみれば怪しいものです。迷惑って主観的なもので、だとしたら私の主観を克博に押し付けることこそ迷惑では?
そう考え始めると、ものごとぐっと楽になる。ま、いいか、と思えるようになりました。
克博は自分に正直に生きているように、私も自分に正直に生きよう、と思うようになりました。まだまだ修行が足りませんが(笑) 》
社会に迷惑をかけてはいけない、という規範に縛られ、辻さんのお母さんは克博さんのおしゃべりをやめさせようと大変な努力をしてきました。ところがぷかぷかで働き始めてから、それが見当違いの努力であったことに気がついたといいます。こうしなければならない、と考えてきたことがぷかぷかに来てから全部ひっくりかえってしまった、とぷかぷかのプロモーションビデオカナダ版の中で語っています。
そのぷかぷかの雰囲気を作ったのは、ほかでもないぷかぷかさんたちです。
ぷかぷかがスタートした頃、講師を呼んで接客の練習をしたことがあります。半日くらいかけて講習会をやったのですが、何のことはない、接客マニュアルというのがあって、その通りにやりなさい、というものでした。話を聞いている段階では、いかにも接客がうまくなるように感じました。でも、それはぷかぷかさんたちに自分を殺すことを強いるものでした。勝手なことをしてはいけない、自分を出してはいけない、とにかくマニュアル通りやりなさい、というものでした。
それを私に教えてくれたのはぷかぷかさんたちでした。何人かの方がマニュアル通りの接客をやってくれました。その接客マニュアルが、ぷかぷかさんのよさをいかに殺してしまうか、彼らは身をもって私に教えてくれたのです。
惚れ込んだ彼らが、自分を押し殺す姿は、もう見るに耐えないというか、気色悪いほどでした。こんな感じではやっていけないと思い、接客マニュアルはやめました。
自分を押し殺してまでして社会の要求にあわせるのではなく、ぷかぷかさんのそのままの姿でいこう。その時、そう決めたのです。
それが今のぷかぷかの自由な雰囲気の出発点です。
先日紹介したコメントふうに書くと
「接客マニュアル通りやらないとお客さんは来ない、というのは考え方のひとつでしかなく、それをぷかぷかさんに押しつけてはいけない。」
それを私はぷかぷかさんたちに教わりました。そしてそれが今のぷかぷかの自由で楽しい雰囲気を生みました。