新しく作るぷかぷかのパンフレットに何か書けと編集長に言われ、あわてて書いたのがこれです。
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ぷかぷかは「共生社会」を作っていこう、なんてことはいいません。
障がいのある人たちと「共に生きよう」といったこともいいません。
いうのは、障がいのある人たちと「一緒に生きていった方がトク!」です。
「いっしょに生きていかないとソン!」ともいいます。
「いっしょに生きていかないなんてもったいない」ともいいます。
彼らといっしょに生きると、社会が豊かになります。
ぷかぷかは障がいのある人たちを理解して下さい、とはいいません。
理解を飛び越えて、いきなり彼らのファンを作ります。
ファンを作り出すコツは、彼らのありのままを差し出すことです。
社会にあわせた彼らより、そのままの彼らの方が魅力があるのです。
彼らを社会にあわせるのではなく、社会を彼らに合わせた方が、みんながホッとでき
る、ゆるやかな社会になります。
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共生社会とか、インクルーシブ社会といった言葉はどうも苦手です。共生社会は、共に生きることを強制されるような感じがあって、いやですね。インクルーシブなんて、カタカナで表記される社会は気色悪いです。みんながどこまで実感できる言葉なんでしょう。インクルージョンなんて言葉もよくききますが、日本人同士がおつきあいするのになんでカタカナなの、という感じです。
共に生きよう、なんて美しい言葉も、なんだか気恥ずかしいです。
やっぱり「いっしょに生きていった方がトク!」というのがいちばんしっくりきます。この「しっくりくる」という感覚が、大事だと思います。
福祉の関係者が「トク!」なんて言葉を使うのはおかしいんじゃないか、といった人もいましたが、「トク!」という感覚でぷかぷかをやってきて、障がいのある人たちとのトクな関係の中から1+1=2以上の新しい価値を生み出したのですから、「トク!」という感覚もバカにはできないのです。
「いっしょに生きていかないとソン!」ともいいます。人と人との関係は、ソン!とかトク!とかいったものではないのですが、それくらい泥臭い感覚で見ていった方が、長続きする気がします。「共に生きよう」なんて言葉よりもはるかにリアリティがあります。リアリティのある言葉は、腹に落ちます。
「いっしょに生きていかないなんてもったいない」もよく使います。「もったいない」という感覚で彼らとの関係を表現することが、私は好きです。彼らとおつきあいしないなんて、ほんと、もったいないです。これはもう言葉では説明できない世界です。
障がいのある人たちを理解して下さい、もいいませんね。理解したからいいおつきあいができるわけでもないし、理解よりも、まずおつきあいだと思っています。おつきあいしているうちに、なんとなく相手のこともわかってきます。
ぷかぷかは、理解を飛び越えて、いきなり彼らのファンを作ります。ですから「理解」なんて、お利口さんのすることは必要ないのです。
ファンを作り出すコツは、彼らのありのままを差し出すことです。社会にあわせないとやっていけない、といわれている彼らですが、接客マニュアルで動く彼らの姿が気色悪くて、その接客マニュアルをやめたら、言い換えれば、彼らのそのままを差し出したらファンができたのです。ファンができたのは、彼らのそのままの姿に魅力があるからだと思います。
彼らを無理矢理社会にあわせるのではなく、社会を彼らに合わせた方が、みんながホッとできる、ゆるやかな社会になります。そうやってできたのが「ぷかぷか」です。