ぷかぷか日記

だって障子があるもん

 天草から送ってきたミカンの箱に「天草みかん山だより」という手書きの通信が入っていて、中にこんな話がありました。

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影絵遊び

 孫の子守に影絵遊びをした。電灯をつけた障子の向こうの部屋からナベやフライパンやカボチャやピーマンや、そこら辺にあるものを写して、適当にお話を作った。影は不思議だ。ものをより鮮明にし、何かを期待させ迫ってくる。孫(小5のケイタと5才のアヤナ)の二人も喜んだ。

 アヤナが演じる。「タマネギの皮をむきまーす」むかれた皮がひらひらと影に舞う。電灯を消したこちら側の部屋で観客のケイタが「あっ、花びらが舞っている!」と叫ぶ。次々に舞い散る花びら。「うわぁ、ほんとだ、花びらだ!すばらしい!」と私も叫ぶ。障子の向こうでアヤナが主張する。「いいえ、花びらではありません!タマネギの皮です」と。

 そして帰りにアヤナが言う。「ばあちゃんの家はいいなぁ」「えっ、どうして?」「だって障子があるもん」パパとママに影絵を見せてやりたいのに、アパートには障子がないというのだった。

                               川野美和

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 なんて豊かな世界なんだと、ほのぼのとあたたかな気持ちになりました。

 昔子どもを連れて川野さんの家に遊びに行ったことがあって、障子のある部屋を思い出します。

 川野さんとはこの「天草みかん山だより」を読んだことがきっかけでつながり、川野さんを通して障がいのある子どもも一緒に育てる横浜の「土と愛子どものいえ保育園」(川野さんはこの保育園の創設にかかわっています)とつながり、その保育園の食育の影響で子どもは25年後、淡路島で農業を始めました。

takasakiaki.hatenablog.com

 

 川野さんから届いたミカンを使ってお惣菜ではオレンジチキン、ミカンのフルーツサラダ、ミカンゼリーを、パン屋ではミカンタルトを作る予定です。

 2月には甘夏が届きます。甘夏パン、来年は作ります。楽しみにしていて下さい。

 

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