グループホームを建てようとしたのだが、地域住民(ごく一部の方だと思いますが)の反対で、にっちもさっちもいかなくなっている、どうしたらいいか、という相談がありました。
反対の理由は犯罪、特に性犯罪が心配、地価が下がる等、よくあるパターンです。障がいのある人たちとのおつきあいがないところでの不安、勝手な思い込み、という感じがしました。ただそれに答える方も、それを覆すだけの論理が弱いのか、このままいくと負けてしまいそうな感じでした。負けることの社会的な意味の大きさを考えると、ほっとけない感じがしたので助太刀に入ることにし、いくつか提案しました。
障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいい、ということを自分の言葉で語って欲しいと思ったので、ぷかぷかで何日か実習してみたら、と提案しました。ぷかぷかさんたちの魅力を体でしっかり感じとり、彼らは街にいた方がいい、と反対をいう人たちの前でしっかり語って欲しいと思います。
近々開かれる予定の住民説明会では、プロモーションビデオカナダ版の上映とぷかぷかさんとの話し合いも提案しました。
映像にはチカラがあります。映像を作ったpvプロボノのホームページにはこんなことが書いてあります。
《 1本のムービーが、世の中を大きく動かす。 1本のムービーが、悲しみを笑顔に変える。 映像にはそんなとてつもないチカラがあると信じてます。 》
そのチカラが今回はシビアな場所で本当に試されます。
グループホームの反対は「障害者はここに住むな」「障害者はここに来るな」ということです。「障害者はいない方がいい」といった相模原障害者殺傷事件の犯人と同じ発想です。
その発想に対し、《障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいい》というメッセージを直接ぶつけることになります。それは自分の生き方を賭けての言わば論争であり、相模原事件を起こしてしまった社会の中で、私たちがどう生きていくのかという問題でもあります。
ただ言葉の論争に終わらせたくないので、ぷかぷかさんを何人か連れて行って、いろいろお話ししてもらい、ぷかぷかさんがどんな人か知ってもらおうと思っています。話だけでなく、本当はいっしょに何か楽しいことがやれたらいいのですが、今回は説明会だけが設定されているので、その枠の中だけでやります。
それでも反対している人たちにとってぷかぷかさんと直接話をすることは、とても大きな意味があると思っています。反対を叫んでいる人たちのことをいろいろ聞くと、やっぱり障がいのある人たちとのおつきあいがないことをすごく感じます。とにかくちょっと話をするだけでもいい、彼らとおつきあいして欲しいのです。
本当に性犯罪をするような人たちなのか、ちょっと話をするだけでも、すぐにわかります。ぷかぷかさんたちがくることで地価が下がるのかどうかも、話をした上で想像して欲しい。
こんなステキな人たちが来ると、本当に地価が下がるのかどうか、想像力を働かせて欲しいと思うのです。
彼らを社会から排除するとき、社会は誰にとっても息苦しい、窮屈なものになります。社会の許容する人間の幅が狭まるからです。彼らがいることで社会の幅が広がり、息がしやすい社会になっているのです。
グループホーム反対をいう人たちと勝った、負けたの話をするわけではありません。こんなステキな人たちとは、おつきあいしていった方がトクですよ、っていってくるだけです。多分、今までおつきあいがなかったばっかりに、不安に駆られているのだと思います。ですから今回は障がいのある人たちとおつきあいするいいきっかけになるのではないかと思います。これがきっかけで、障がいのある人たちと一緒に豊かな地域社会が実現できたら、これほど素晴らしいことはないと思っています。