近くの小学校に行って2年生の子ども達と『アーダコーダの子ども哲学」やってきました。最初に『いっしょにいると 心ぷかぷか』子ども版を見せました。
高崎:どうでしたか?おもしろかった?
・私の友達のお母さんが映っていた。
・楽しかった。
高崎:どこが楽しかった。
・だれかがおさらに絵を描いたところが面白かった。
高崎:僕の似顔絵を描いたんだよね。
・パンを作っているところがおもしろかった。
・バームクーヘンを食べているところで、あちってやっているところ。
・箱でつくった恐竜がおもしろかった。
・バームクーヘンをつくっているのが面白かった。
高崎:今度機会があったらバームクーヘンやろうか。また考えておきます。
・ぱんがおいしそうだった。
・カフェのところのご飯がおいしそうだった。
・みんなが働いているところが忙しそうだった。
・すごく大変だけど、みんなで協力して頑張っているのがわかった。
・みんななかよしでいいな。
・ぷかぷかさんがひとりひとりのことをわかっていていいな。
・いろんな人がしゃべっていて。
・ぷかぷかのパンとか料理が見ているだけでおいしそうだった。みているだけでおいしくなってきた。
・なんかお腹がすいてきた。
・いろいろな自分同士のことをみんなで自分のことを知ってもらえているのがうらやましかった。
木下(ぷかぷかスタッフ):自分のことを知ってもらって・・・うらやましかった?良かったって?どういうこと?
・働いている方が、一人一人のことをわかっていていいな。
・スタッフがぷかぷかさんたちのことをわかっていていいなあとわかった?
木下:あの映像だけでわかった?すごいね。
・みんな一生懸命はたらいているんだなあと思った。
・なんか箱持って、車に置いて、どこかにもっていって
木下:ばんじゅうね。
高崎:パンをね。外に売りに行っています。
・みているだけで、ぷかぷかのぱんがたべたくなってきた。
・障がいはわるいことじゃないんだと思った。
高崎:どうしてそう思った?
・障がいだとわからないし、障がいでもふつうだし。悪い事していないし。
高崎:わるいことではないっていうのをもう少し丁寧に説明してくれる?
・障がいはわるいことじゃないっと思った。
高崎:障がいって、悪いことではないっていう意見が出ましたが、それについて意見のある人
・障がいがあるからって、悪い人ではない。
・ぷかぷかのパン屋さんはあんまりちっちゃいぱんやさんだとおもっいて行きたくないとおもってたけど、このビデオみたらおおきかったし、おいしそうだったから今度行ってみたいです。
・みんな元気。
高崎:みんなっていうのはぷかぷかさんたち?ぷかぷかさんたちはいわゆる障害のある人たちなんだけど、障害がわるくないという意見がでましたが、それについてもう少し意見を聞きたいと思います。
・みんな一生懸命やってて、やっているひともやってもらう人も笑顔になる。
高崎:あー、やってる人とやってもらう人というのは、ぷかぷかで働いている人と、それを支えている人たち?
・障がいがある人でも頑張って仕事をしていたからすごいなと思いました。
・みんなで支え合って作ったりとか、がんばっているのがわかりました。
・ぷかぷかのおひるごはんは、ぷかぷかさんが行くところなのかなと思って行かなかったけど、ビデオをみてだれでもいっていいのかなと思った。
高崎:誰でも行っていいんだよ。大歓迎です。こんどぜひお母さん、お父さんと来てください。
・障がいの人は、みんながうまれたとおりに、ちょっと生まれかたがちょっとだけおかしかっただけだから、みんなとおんなじで、ちょっと不自由なところがあるだけで、ぜんぜん大丈夫。
・どの店もやっぱ仕事はいそがしいなあと思った。
・大変そうな仕事だけど、みんなすこし楽しんでいると思った。
・みんな協力しあって、していたからすごいなと思った。
高崎:映画の一番最後に「いっしょにいると心ぷかぷか」っていう言葉がありました。「心ぷかぷか」ってどういう意味ですか?
・こころがぷかぷかする。
・こころがほかほかになる。
・こころがぷかぷか浮かぶような気持になる。
・こころが浮くような感じで楽しい感じになる。
・ぽかぽかっぽいけど、温かくなる。
・こころが、おちつく。
・ぷかぷかって、ぷかぷかのパン屋さんのなまえとおなじだから、みんなが喜んでくれるかなあとおもって、ぷかぷかっていうかんじかなあと思った。
・こころぷかぷかというのは、こころがほかほかしてあたたかいきもち。
・こころが明るくなる。
・いい気持になる。
・すこしづつこころがあかるくなって、浮いていくような感じ
・みんなにこにこになる。
・みんなににっこりになる。
・こころがみんなと仲良くなれる気がする。
・楽しくなる。
・ぷかぷかさんの障がいのある人の気持ちがわかる。
高崎:どんなふうにわかるの。
・一緒にいるとぷかぷかさんがどんな人なのかがわかる。
高崎:一緒にいるとというのは、つまり障害のある人たちと一緒にいると心ぷかぷかということを言っているんだけれども、どうして障がいのある人たちといっしょにいると心ぷかぷかになると思いますか?
・ぷかぷかパンをいっぱい作っている。ちからをあわせているから。
・いつもみんなと楽しくぱんを作っている。
・たのしいから。
・こころがひとつになるから。
・ぷかぷかのひととぷかぷかじゃない人も心をかよわせる。
・しらない人でもわかんないひとでも、一緒にいると、誰かがいるとおもって
・ほっとできるから。
・こころが元気になる。
・ぷかぷかパンの中に気持ちがこもっているから。
・おきゃくさんがぷかぷかにいきたいと毎日わくわくしているから。
高崎:どうして毎日行きたいとおもうんだろうね?
・みんながぷかぷかと思えばぷかぷかなんじゃない。
・正しいと思えばただしいんじゃない。
・パンの中に気持ちがこめられていたりしているから。
・幸せになって、思い出になりそうなことがあっても、ぷかぷかだと思うな。
・ぷかぷかのみんなで、絆がついているからみんな仲良しだと思いました。
・皆で協力しながらパンを作っていた、皆にがんばってという感じがしている。
・皆においしく食べてほしいとおもってぷかぷかになる。
・みんなにおいしく食べてほしいと思って、作っている。
・楽しく作っていると、こころも楽しくなってくる。
高崎:映画の最後に「ともだちになった方がたのしいよ」という言葉がありました。覚えていますか?どうしてともだちになった方がいいんだろう?
・楽しいからじゃないの?
・みんなとなかよくなれるから。
・障がいのある人と仲良くなった方が、自分の為にもなる。
高崎:自分のためになるとはどういうこと?
・勉強になる。
高崎:勉強になる?素晴らしいね。どういう勉強になるんだろう。
・障がいのある人でも普通に暮らせるよっという感じ。
・ぷかぷかのところに行くときが楽しくなる。
高崎:ぷかぷかさんと話したことがある人
手をあげた人12名
高崎:ぷかぷかさんとお話してどうでしたか?
・楽しかった。
・買った時のおしゃべりが楽しかった。
高崎:どうしてともだちになった方がいいのかなあ。
・障がいがあると言って友達にならないと、その人が悲しがるから。
・自分がやられる側だといやだから。
・最近の人は、障がい者を仲間外れに・・・その人が悲しんでいるから、その人を助けてあげるとうれしいから。
・とくに悪い人ではないから。
・ぷかぷか優しい事。
木下:だれが優しい?
・ぷかぷかさんがやさしい。
高崎:どういうところがやさしい?
・パンをつくっているところ
木下:ぷかぷかさんとおともだちになった方がいいよっていうことでしょうか?
・わからない。
・ぷかぷかでパンをたくさん買えば買うほど、気持ちがわかるから。
・うれしいとか、かなしいとか。ぷかぷかさんの気持ちがわかるから
・ひとりぼっちだとさみしいから。友達がいるとたすけあったり、協力したりできるから
・なかよくすると、幸せになって、もっと友達を作りたいなとおもうから。
・いっぱい友達になると、一杯仲良く話せたり、知っている人だと一杯話せたりするから
高崎:ともだちになるって、みんなにとって得なこと、損なこと、どっちかな。
ぷかぷかさんと仲良くなるとどうなる?
・なんか楽しそう。
・繰り返し行きたくなる。
高崎:どうしてなんだろう?
・しゃべっているとどんどん友達の中がよくなるから。
・とても賑やかになって、こころがぷかぷかになる。
高崎:ぷかぷかさんとお友達になりたいという人がいますか?
・ぷかぷかさんとお友達になると、商店会のお店に行った時、友達がいるとお買い物がたのしくなって、いろんな所へ行きたくなる。お買い物が楽しくなる。
高崎:ぷかぷかさんを連れてきます。
・やった!
・やりたい。
高崎:今日はいろいろな意見がでてよかったと思います。みんなが自分でいろんなことを考えたことがすごくよかったです。お疲れさまでした。
●●●
2年生の子どもと話をするなんて、ふだん経験しないことなので、どうすれば対話がはずむのか、考えながらの進行でした。
感想は食べ物の感想から始まり、みんな楽しそうに話していて、なかなか「障がい」が話題にならなくて、どうしようかなと思っていたら、唐突に
「障がいはわるいことじゃないんだと思った」
といった子どもがいました。ちゃんと考えてくれてたんだとうれしかったですね。「障害者」に対する偏見もまだない子どもの素直な言葉だなと思いました。
「みんなで支え合っている」
という言葉も出てきました。わずか5分の映像でそこまで読み取ったことに感心しました。
「やっているひともやってもらう人も笑顔になる。」
ぷかぷかさんとまわりの人たちとの関係もちゃんと見ていました。笑顔になる関係は子ども達にもちゃんと届くんだと思いました。
「障がいがあるからって、悪い人ではない」
全く当たり前のことです。障がいのある人たちのマイナスイメージを「悪い人ではない」という言葉でひっくり返そうとしたのかも知れません。
「障がいがある人でも頑張って仕事をしていたからすごいなと思いました。」
子どもながらに障がいのある人は仕事があまりできないと思っていたのかも知れません。
ここはもっともっと対話を深めたかったのですが、中途半端に終わってしまい、ちょっともったいなかったですね。こちら側の進行のまずさだと思いました。
ビデオの最後に出てくる「心ぷかぷか」ってどういう意味ですか?って聞いたときは、思いのほかたくさんの意見が出ました。
「こころがぷかぷかする」「こころがほかほかになる」「こころがぷかぷか浮かぶような気持になる」「こころが浮くような感じで楽しい感じになる」「ぽかぽかっぽいけど、温かくなる」「こころが、おちつく」「こころぷかぷかというのは、こころがほかほかしてあたたかいきもち」「こころが明るくなる」「いい気持になる」「すこしづつこころがあかるくなって、浮いていくような感じ」「みんなにこにこになる」「こころがみんなと仲良くなれる気がする」…
子どもの心に、こんなにも豊かなメッセージを届けていたことにちょっとびっくりしました。素直にうれしかったです。子ども達との想像力と、映像のチカラを思いました。
こんなにもあたたかで、いい気持ちになることと、ぷかぷかさんたちの映像が重なって、子ども達にどんなメッセ−ジを届けたんだろうと思います。
障がいのある人たちといっしょにいるとどうして心ぷかぷかになるんだろう、という問いに対しては
「たのしいから」「こころがひとつになるから」「ぷかぷかのひととぷかぷかじゃない人も心をかよわせる」「しらない人でもわかんないひとでも、一緒にいると、誰かがいるとおもって」「ほっとできるから」「こころが元気になる」
短いビデオでここまで読み取るというのは、すごい集中力だと思いました。
「ほっとできるから」「こころが元気になる」 本当にうれしくなるような言葉を子ども達は言ってくれました。今までたくさんの大人たちがこのビデオを見ましたが、こんな言葉は出てきませんでした。子ども達の感じるチカラってすごいなって思いました。
映画の最後に「ともだちになった方がたのしい」という言葉がありましたが、どうしてともだちになった方がいいんだろう?の問いに対しては
「障がいのある人と仲良くなった方が、自分の為にもなる」
と発言した子どもがいて、自分のためになるってどういうこと?と聞くと
「勉強になる」
と答え、その中身を聞くと、
「障がいのある人でも普通に暮らせるよっという感じ」
小学校2年生でここまで考えるのかって、思いました。
「障がいのある人でも普通に暮らせるよ」 なんて優しい子どもなんだと思いました。
どうしてともだちになった方がいいのかなあ、と再度質問。
「障がいがあると言って友達にならないと、その人が悲しがるから」「自分がやられる側だといやだから」「最近の人は、障がい者を仲間外れに・・・その人が悲しんでいるから、その人を助けてあげるとうれしいから」
小学校2年生というと、まだ障がいのある人たちを排除していないんだと思いました。彼らが大きくなって、社会の影響をもっと受けるようになったとき、彼らはどんな風に振る舞うのだろう、と思いました。その時にこそ、今日みんなでアーダコーダと言い合ったことが生きてくるのだと思います。
「ぷかぷかさん」という言い方を説明したわけでもないのに、気がついてみると、子ども達は「ぷかぷかさん」と当たり前のように使っていました。親しみを込めた言い方が、すごくいい感じでした。この言葉が子ども達の中でずっと生きていってくれるといいなって思いました。
★今後、あちこちの小学校で今回のような試みができたらいいなと思っています。子ども達が障がいのある人たちとの関係について自分で考えるとてもいい機会になると思います。自分の学校でやってみたいと思われたらぷかぷかまで連絡下さい。045−453−8511 ぷかぷか事務所 高崎
★映像の中で私のインタビューのところは「規範」が取れたとか、自由になったとかいってるのですが、子ども達にはわかりにくい言葉なので、pvプロボノの方と相談して、カナダの上映会のために編集し直したカナダ版の後半部分と映像を入れ変えてもらおうかなと思っています。