ぷかぷか日記

子ども達はもう少しちがう感想を言ってくれる気がします

 近くの小学校から子ども達に「ぷかぷか」の話をして欲しいと依頼が来ました。2年生です。2年生なら、障がいのある人たちへの偏見も、まだほとんどありません。パン教室や、演劇ワークショップ、わんどのアートワークショップに参加している子ども達を見ていると、そう思います。そんな子ども達に私が一方的に「ぷかぷか」の話をしても、何かおもしろくないなという気がします。「アーダコーダの子ども哲学」のやり方で、子ども達の言葉を紡いでいって「ぷかぷかってなんなの?」という問いを掘り下げていった方が絶対おもしろいと思いました。5分のプロモーションビデオを見てもらい、その感想から子ども達の対話がはじまります。

 その話をブログに書いたら、プロモーションビデオを作ったpvプロボノの方から、元の映像は「障害者」に対して偏見を持った大人を対象にしたものなので、まだ偏見を持たない子どもに対しては「入り口」を変えた方がいいだろう、という意見をいただきました。コピーライターの方が子ども向けに新しい言葉を考えてくれ、その言葉を使った新しいプロモーションビデオが送られてきました。『いっしょにいると 心ぷかぷか』子ども版です。映像は大人版をそのまま使っています。

 

 

 パン屋のシーンが始まり

《 「しょうがい」って なんだろう。 》

の言葉から始まります。「障害者」という言葉に対して、ほとんどまだ偏見を持たない子ども達に、「しょうがい」って なんだろう、いっしょに考えようよ、と呼びかけます。パン屋のことをよく知っている子どもたちも多いので、ぷかぷかさんたちの映像があらためて深い意味を持って子ども達に問いかけます。

 ユミさんがケラケラ笑う声が入るシーンと重ねて

《 きゅうに わらったり しちゃうこと? 》

 お惣菜の厨房でみんな一生懸命働いているシンーンでは

《 むちゅうに なりすぎてしまうこと? 》

ラスクにバターを塗ったり、お店に商品を並べるシーンでは

《 みんなと おなじが できないこと? 》

カフェで働くシーンで

《 そんなことだけで 》

《 なかよくできないヒトがいるなら 》

《 もったいないね 》

 「障がいのある人とは仲良くしましょう」といった言葉でいつも語られる彼らとの関係を、「もったいない」という表現したセンスがすごくいいと思いました。私もよく使う言葉ですが、こういう泥臭い感覚でおつきあいした方が楽で、長持ちします。

 パン屋の厨房シーンに重なって

《 よく しると 》

《 かれらは やさしい 》

外販に出かけるシーンに重なって

《 かれらは じゆう 》

ツジさんのおしゃべりと重なって

《 みりょくてき 》

外販でよくわからない説明をするぷかぷかさん

《 かれらに あうたび 》

《 かれらのことが すきになる 》

 このあとインタビューシーンが続きますが、ここは大人に向けてしゃべっているので、子ども達に伝わるかどうか、かなり不安です。「規範が取れる」とか「豊かになる」「耕される」といった言葉はむつかしいだろうなという気がします。

最後のクローバーまつり

真っ白な画面の上に文字が浮かびます。

《 トモダチになったほうが 》

《 きっと ずっと たのしいよ 》

桜吹雪のシーン

《 いっしょにいると 心ぷかぷか 》

 

 

 子ども達はこの映像をどんな風に受け止めてくれるのだろうと思います。大人たちはたいてい「素晴らしい!」といってくれます。でも、子ども達はもう少しちがう感想を言ってくれる気がします。

 ぷかぷかにしょっちゅう来ている子ども達は、「ぷかぷかさんたち」の映像を見て、「あの人たち、しょうがいしゃだったんだ」なんて思ったりするかも知れません。

 そんな子ども達の感想の言葉から「アーダコーダの子ども哲学」がはじまります。「障がいってなに?」「心ぷかぷかってなに?」「いっしょに生きるってなに?」「ぷかぷかってなに?」そんなことを子ども達といっしょに考えてみたいと思うのです。

 

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