プロモーションビデオのテーマ「いっしょにいると 心ぷかぷか」を英語でどう表現するか、という問題でいろんな人の意見が出て、とても有意義な意見交換でしたので紹介します。
翻訳を担当したツジさんは、最初
This is Puka-Puka
と英訳していて、映像のあたたかな雰囲気をさして
「これがぷかぷかだ」
と言い切ったのだろうと思いました。なーるほど、こうやって英訳するんだ、と感心しました。
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This is Puka-Puka ですと、こちらが意図している、
という意味ではないか、という提案。
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「いっしょにいると心ぷかぷか」の英訳ですが、
ご提案の日本語をそのまま英訳すると、どうにもコマーシャルのコピーのようで
落ち着きません。
Puka-Puka will touch your heart
Together, with Puka-Puka
はどうですか。
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ぷかぷかさんは 心をあたたかくする
ぷかぷかさんと いっしょに生きていこう!
って感じに受け止めました。
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Puka-Puka sets our hearts afloat.
をグーグル翻訳にかけると
ぷかぷかは私たちの心を浮かせる
と出て、実際英語圏の人がどんなふうに受け止めるのかわからないのですが、意味は間違ってないにしても、なんかちがうような、という感じがします。英語圏の人はどんなニュアンスで受け止めるのでしょうか?
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ぷかぷか、のもつイメージをfloat という言葉で表すのか、それとももっと直接的に表すのか、ということですよね。
私自身native speaker ではないので、私見ですが、afloat だと説明的雰囲気はするんです。最初からの案は何の説明はなくても分かる気がします。
考えれば考えるほどわからなくなってしまいました。
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最後までこうした論議がされるのは
作品を作る上でとても素晴らしいことだと思います。
僕の感じていることを書きます。
Puka-Puka will touch your heart
Together, with Puka-Puka
この2つの直接的な表現は「言い切る」感じで勢いも出てますし
メッセージも明確になるのですが、その分読んだ方に伝わる意味が限定される感じがします。
そもそも「いっしょにいると 心ぷかぷか」は
ぷかぷかさんと出会った時に生まれる「気分」を伝えるコピーで
読んだ方がそれぞれに解釈できる余地がある言葉だと思います。
「心がうきうきする」と捉える方もしれませんし
「心がぽかぽかする」と捉える方もいるかもしれません。
そういう意味では
Puka-Puka sets our hearts afloat. は
気持ちが空に解き放たれていくような気分を伝えている感じがします。
こちらの方が「いっしょにいると 心ぷかぷか」に近いように僕は思います。
また「your heart」ではなく「our hearts」と主体が自分たちの側にあるところも良いと思います。
「いっしょにいると (私たちは)心ぷかぷか(になる)」だと思うからです。
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私としてはやはり、
Puka-Puka sets our hearts afloat. のほうが良いのではないかと思います。
確かに高崎さんがおっしゃるように、
Puka-Puka will touch your heart
Together, with Puka-Puka
は、シンプルな言葉遣いで呼びかける感じもあり、勢いがあるのですが、
意味合いを考えると「ぷかぷかがあなたの心に触れる」ことは、
その前の映像で十分伝わっていると思うので、
あえてここで言葉にする必要はないのではないかと思います。
それよりも今回は、
日本語で日本人の私たちが感じる「心ぷかぷか」な感じを、
世界各国の人たちはどう思うのか?
ある国は「同じように思う!」と言うかもしれないし、
別の国は「そうやって心が浮かび上がって自由になる感じじゃなくて、
彼らと一緒にいると、もっと◯◯な感じなんだよ」と言うかもしれない。
そういう意見を聞く場というか、各国の方たちに考えてもらうきっかけとして、
ここは意訳ではなく、できるだけ直訳に近い感じで、
「心ぷかぷか」を伝えたいなと思いました。
そう考えると、「ぷかぷか」という擬態語をより正確に伝え、
そこから想像を膨らませてゆける言葉はやはり、
afloat や float なのかなと思うのですが、、、いかがでしょうか。
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職業柄(通訳です)どうしても言葉だけ訳せばいい、と
考えがちなのですが、映像との兼ね合い、またその映像を
通して何を訴えたいのか、どうやってみていただいている方を
巻き込んでいくか、を考えていくことが必要なんですね。
そうだとすると、やはりぷかぷかの語感が表現できている方が
いいのかもしれません。
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Puka-Puka sets our hearts afloat.
細かなニュアンスについては、私もネイティブではないのですが
こちら、とってもいいのではないかなと思いました。
be afloat、be buoyantなどの「浮く・浮かぶ」の表現で、
気持ちのウキウキ感は英語でも感じられると思います。
touch your heartがどいうことなのかな?どういう部分なのかな?というのを、
もっと具体的に言ってくれているような気がいたします。
Puka-Puka will touch your heart
Together, with Puka-Puka
もリズム感があって素敵ですが、
他でも同じ雰囲気のコピーが存在しそうな、
すでに聞き馴染みがあるように感じました。
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Puka-Puka sets our hearts afloat.がどこに字幕されるのかわかりませんが、文法的にあっているかとか、ネイティブに伝わるかとか、あんまり関係ないと私は感じます。
この作品には、手作り感満載でありながら、全ての画に心洗われ、観る人を魅了する力強さがあります、さすがぷかぷかさんです!
皆、生き生きとしていて、楽しそうで、幸せそうで、そんな「Puka Pukaさんと仲間たち」は、現地で観る人の心にどのように染みわたるのでしょうか?
それを聞きたいため、共有したいために、字幕や活字が手助けするわけで、皆さんの想いは全て画の中で表現されているので、辻さんのやさしくて、ありのままな翻訳が私はとても素敵だと思います。
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というわけで
Puka-Puka sets our hearts afloat.
に決まりました。
「いっしょにいると 心ぷかぷか」をとにかく海外の人に伝えたいと、こんなにもたくさんの人が、こんなにもいろんな意見を出してくれました。そのことがすばらしかったと思います。