7月26日に横浜市瀬谷区であったやまゆり園事件追悼の集いに参加しました。
この集まりの最初の方でやまゆり園の宣伝ビデオが流されたようです(私は遅れていったので見られませんでしたが)。みんな笑顔で、楽しい雰囲気の施設、というメッセージだったようで、報道の方が、こういう生活ぶりを知らなかったので、ぜひみんなが見られるように流して欲しい、と発言しました。
それに対してやまゆり園に子どもをあずけている保護者の方が、
「あれはうそですよ。あんなのは流さないで下さい」
と目の覚めるような発言をしました。施設の実態とあまりにもかけ離れている、というのです。
日中活動は週二日くらいで、あとはやることがなくてその方の息子さんは一日中テレビを見ていたり、本を破ったりしている、という話でした。
職員が足りなくて、回らないんだそうです。この問題については神奈川新聞が事件を考えるシリーズの中で、指定管理者に変わってから県から支給されるお金が減らされて、職場環境がとても悪くなっている、と指摘していました。
だから笑顔満載のビデオは「うそだ」と。
家族会の会長の話よりもはるかにリアリティがありました。やまゆり園というところはそういうところなんだと、初めて知りました。
植松被告が事件前、衆議院議長に宛てて書いた手紙に
「施設で働いている職員の生気の欠けた顔」
ということばがありました。植松被告はあれだけめちゃくちゃなことをやりながら、妙に冷めた目で職場を見てたんだ、と手紙を読んだとき思いました。
笑顔満載のビデオに、「あれはうそですよ」という指摘と、植松被告の指摘した部分が重なってくるのです。
目も覚めるような発言をされた保護者の方にNHKクローズアップ現代で紹介された植松被告の手紙のことを聞いてみました。(障がい者は不幸の元だ、と確信を持ったのは施設で働いた3年だった、と手紙に書いています)
「彼は最初はそれなりの思いを持ってやまゆり園にきたのだと思います。でも、現場がひどすぎた。だからそんなふうに思ってしまったんだと思いますよ」
とおっしゃってました。現場が荒廃していた、という保護者の目です。
となると現場の荒廃が、事件の一因となります。
植松被告のいう「生気の欠けた顔」で、どうやって障がいのある人たちとおつきあいしていたのでしょう。神奈川新聞は職場の荒廃の原因としてお金が減らされたことを指摘していましたが、ぷかぷかは多分もっとお金がありません。パートさんは全員最低賃金で働いています。それでもみんな楽しい雰囲気の中で働いています。ぷかぷかさん達といい関係にあるからだと思います。
ポイントは多分そこだと思います。障がいのある人たちといい関係にあるかどうか、です。植松被告がもしぷかぷかで働いていたら、絶対にあのようなことは起こらなかったとあらためて思います。
ね、この写真のようなこと、植松被告がやっていたら、あんな事件起こしたと思いますか? ここに事件の本質があるように思うのです。