ぷかぷかは「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ」というメッセージを日々発信しています。なぜいいのか。それは、一緒に生きていった方が、人生トクすると思うからです。一緒に生きていった方が、私たち自身の人生が豊かになるからです。楽しくなるからです。
7月25日にオープンする「ぷかぷかさんのおひるごはん」は、「750円払うと、ぷかぷかさん達といっしょにお昼ごはん食べられるよ」というお店です。750円は、お昼ごはんの値段ではなく、ぷかぷかさん達といっしょにお昼ごはんを食べることの値段です。ぷかぷかさん達といっしょにごはんを食べることに、価値を見いだしているのです。
言い換えれば、ぷかぷかさん達と一緒に生きることに価値を見いだし、そこを今まで以上に積極的に評価していこうというわけです。
ぷかぷかのパン教室が、すっごく楽しいのは、ぷかぷかさん達と一緒にパンを作るからです。パンを作る楽しさに、彼らと一緒に作る楽しさが加わって、こんなに楽しいパン教室は、多分ほかにないと思います。
生地の発酵を待っている間に下の写真のように突然「人間知恵の輪」がはじまったりします。ぷかぷかさん達がいるからこそできることです。そのことの意味をもっともっと私たちは考えていいように思います。彼らといっしょにいること自体に価値を見いだそう、というのはこういうことのたくさんの経験の上に出てきたものです。
ぷかぷかの演劇ワークショップも、芝居作りの楽しさに、ぷかぷかさん達と一緒に作る楽しさが加わって、もう本当にやみつきになります。ぷかぷかさん達と一緒にやる演劇ワークショップは今までにない新しい芝居を創り出します。ぷかぷかさん達が一緒だからこそ創り出せる新しい「文化」といっていいほどのものです。いっしょにいると豊かなものが創り出せるということが、誰の目にも見えます。
一緒に生きた方がいい理由を、ワークショップに参加した人は体全部で感じとることができます。芝居を見に来た人も目と耳と、体の全部で感じとることができます。「一緒に生きると、こんなに楽しいことができるんだ」「一緒に生きていった方がいいね」って、理屈抜きに思えるのです。
話を「ぷかぷかさんのおひるごはん」に戻しましょう。
「ぷかぷかさんのおひるごはん」には様々なおいしいティを用意しています。
ぷかぷかさんと一緒に食べるお昼ごはんのお金750円に250円追加すると、このおいしいティが飲めます。250円はおいしいティの価値です。
まだタカサキの頭の中だけの構想ですが、厨房がもう少し落ち着いたら、お客さんも自分が使った食器をぷかぷかさんと一緒に洗えるような仕組みができたらいいなと思っています。ぷかぷかさんと、ほんのちょっとですが、一緒に仕事をするのです。
少し前は、自分の使った食器を自分で洗えば10円引きにしようかなと思っていました。でも今は、100円追加料金払うとぷかぷかさんと一緒に食器が洗える、というふうにしようかなと考えています。つまり、ぷかぷかさんと一緒に仕事をすること自体が、一つのかけがえのない価値を持っている、と考えるのです。
「え?100円払うと、ぷかぷかさんと一緒に食器洗えるんだって?ラッキー!」
なんて受け止め方をしてもらうといいなと思っているのです。
「あれができない」とか「これができない」とか「社会の負担」とか「社会のお荷物」とか「効率が落ちる」とか「いない方がいい」とか「生きてる意味がない」とか、とにかくマイナス方向での評価が圧倒的に多い社会にあって、
「彼らと一緒に生きること自体に価値がある」
という考え方は、障がいのある人たちの受け止め方、彼らとの関係に大きな変化をもたらす気がします。
「ぷかぷかさんのおひるごはん」は、そういう考え方の具体的な試みでもあるのです。