ぷかぷか日記

しんぶんの言葉が届いた

 昨日の神奈川新聞の記事です。「津久井やまゆり園」立て替え問題の公聴会で、障害者団体から批判が出たことに対し、県知事が「心外」であるなどと発言したことに対する波紋の記事です。

www.kanaloco.jp

 批判に謙虚に応えるのではなく、「心外」などといって聞く耳を持たない姿勢こそが、相模原障害者殺傷事件を起こすような社会を、そのまま温存してしまうような気がしています。

 「重度障害者の意向確認はできないとはなから思い込んでいる。」という批判がありましたが、その通りだと思います。ちょこっと視察したくらいで、彼らの気持ちはわかりません。重い障がいのある人たちに本気で寄り添っていこうという気持ちがなければ、彼らの気持ちは見えません。当事者を置き去りにしたまま、建物だけが新しくなって、事件は解決したとでもいうのでしょうか?それが事件に「屈しない」ことなのでしょうか?

 

 ぷかぷかしんぶん1月号で、相模原事件について書いた記事を読んで号泣したというお客さんが来ました。人を泣かせるほどのことを書いたつもりはないのですが、相模原事件への思いが、その人の心に響いたのだと思います。

 

《 今年七月に相模原で障がいのある人十九人が殺されるという悲惨な事件がありました。容疑者は「障害者はいない方がいい」などといいました。

  表現の市場は、「それはちがう、障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいい」というメッセージを舞台で表現します。単なる言葉の反論ではありません。障がいのある人たちと一緒に作った舞台そのものが、目に見えるメッセージになります。一緒に生きていった方がいい、と思える事実を作ります。

 舞台の豊かさは、障がいのある人たちといっしょに生きていくことの豊かさです。障がいのある人たちを排除する文化に対する、新しい文化といっていいと思います。障がいのある人は効率が悪い、役に立たない、社会の負担、といった文化に対して異議申し立てをする文化です。

 事件の容疑者を生み出すような社会は病んでいます。新しい文化は、その病んだ社会を救います。 》

 

 号泣したというお客さんは障がいのある弟がいるそうです。そういう立場で事件を受け止め、とても辛い思いをしたとおっしゃっていました。そこへしんぶんの言葉が届いた、ということです。

 

 県知事は「心外」などと言って耳を閉ざすのではなく、「心外」な批判を口にした人たちに届く言葉こそ真剣に探すべきだと思います。そうすることが、知事の心を磨き、事件を超える社会を作っていくことにつながるように思うのです。

 

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