2017年1月29日(日) 午後2時からみどりアートパークホールにて第3回表現の市場を開きます。
2016年7月、相模原で障がいのある人が19人も殺されるという痛ましい事件が起こりました。容疑者は「障害者はいない方がいい」「障害者は生きている意味がない」などといったそうです。事件を容疑者の特異性の問題にすれば、事はそこで終わります。でも容疑者を生み出した社会にも問題があるのではないか、と考えていくと、容疑者を非難するだけではこの事件は終わりません。「障がいのある人はなんとなくいや」と思う人は多いと思います。「障がいのある人は怖い」「障がいのある人は能力が低い」「効率が悪い」「役に立たない」「社会のお荷物」と考える人も多いと思います。「支援が必要」と考える人たちも、結局のところ上から目線でしか障がいのある人たちを見ていません。障がいのある人たちのグループホーム建設計画が住民の反対に遭ってつぶされるという事件もありました。「障害者はここに来るな」という主張は、容疑者の「障害者はいない方がいい」という主張と一体どこがちがうのでしょう。言葉の表現と、一線を越えるかどうかの差だけで、容疑者の主張は私たちの社会のあちこちにあるのではないかと思います。
では、どうしたらいいのか。言葉で批判していくのは簡単です。でも、社会はそんなことでは変わりません。「障害者はいない方がいい」「障害者は生きている意味がない」という主張に対し、「障害者はいた方がいい」「障害者は生きている意味がある」という事実を作り、それに共感する人を少しずつ増やしていくしかないんだと思います。共感する人が増えることで、この病んだ社会も少しずつ変わっていくのではないか、と思うのです。事実、「ぷかぷか」はお店を運営していくことで、「ぷかぷかが好き!」という人が少しずつ増えてきました。「ぷかぷか」のまわりの社会が少しずつ変わってきたのです。
そして今回「表現の市場」では、「障害者はいた方がいい」「障害者は生きている意味がある」というメッセージを舞台で表現します。障がいのある人たちがいてこそできるすばらしい舞台です。
「障がいのある人はなんとなくいや」「障がいのある人は怖い」「障がいのある人は能力が低い」「効率が悪い」「役に立たない」「社会のお荷物」「支援が必要」と考える人たち、ぜひ舞台を見てください。そして、舞台に立っている障がいのある人たちが、ほんとうに自分の思っているとおりの人たちなのかどうか、自分の目でしっかり確かめてください。
表現の市場第二部の「チェロと太鼓のコラボ」では日本フィルハーモニーのチェロ奏者江原さんが「レクイエム」を弾きます。相模原事件で犠牲になった人たちへ捧げる曲です。「レクイエム」を聞きながら、犠牲になった人たちのことに思いを馳せましょう。