9日(水)(あっ、もう今日ですね。今午前1時半ですから)、瀬谷区役所の人権研修会でぷかぷかのことをお話しします。昨年の緑区役所と同じように、まず人権問題の当事者でもある「ぷかぷかさん」三人にいろいろお話を伺い、そのあと私が話をします。
昨年はこの「ぷかぷかさん」たちの話が大好評でした。
「ぷかぷか」は養護学校の教員をやっているとき、障がいのある人たちの魅力に惚れ込み、彼らとずっと一緒に生きていきたいと思って始めたお店です。6年たった今、彼らの魅力が、大きなチカラを持つことに気がつきました。
ビジネスに勝つチカラと社会を変えるチカラです。
ぷかぷかのファンが増えたのは、彼らの魅力のおかげです。おいしいパンと一緒に、心あたたまるお土産がもらえる。そのことがぷかぷかのお客さんを増やしました。彼らの魅力はビジネスに勝つチカラなのです。
ぷかぷかのファンになるのは彼らの魅力に出会った人たちです。そういう人たちが増えることは、地域社会を豊かにすることにつながります。彼らの魅力は社会を変えるチカラがあるのです。
彼らの魅力は、彼らがそのままの彼らでいられる環境で、はじめて発揮できます。
ぷかぷかを始めた当初、「接客」の仕方がわからないので、講師を呼んで接客の講習会をやりました。講師のいうとおり、つまりは「接客マニュアル」通りやれば、なんとなく接客をやっているような雰囲気にはなります。でも、私は気色悪さを感じました。接客マニュアル通りにやる、ということは、自分を出さない、自分を殺すということです。自分を殺し、無理してそこに立つ彼らの姿は、痛々しく、気色悪かったのです。接客マニュアルに従わせると、彼らの魅力はしぼんでしまいます。
講習会は一日でやめました。このときの、気色悪い、という直観的な判断が、ぷかぷかの進む道を決めたと思っています。接客マニュアルで勝負するのではなく、彼らの魅力をそのまま出して勝負する、ということです。
ぷかぷかは彼らがありのままでいることの魅力でビジネスをやってきました。無理に社会に合わせることをしなくても、仕事が成り立つのです。そうであれば、障がいのある人たちが求められている社会に合わせるための努力はなんだったのか、ということになります。ぷかぷかで働いているツジさんのお母さんは「見当違いの努力」をしてきました、とおっしゃってました。
そのままがいちばん魅力的なんだよ、ということです。
その視線は、障がいのある人はもちろん、私たちも救います。彼らを見る目が変わることですから。