木曜日の朝、庭の隅に新しく貼った蜘蛛の巣を見つけました。巣の真ん中でじっとしている蜘蛛を見ながらいろいろ思うところがあって「ぷかぷかしんぶん」の冒頭の原稿を書きました。
朝、庭の隅に蜘蛛が巣を張っていました。蜘蛛は巣の真ん中でじぃっと何かを待っています。宮澤賢治の『洞熊学校を卒業した三人』に登場する赤い手の長い蜘蛛は下を通りかかった女の蜘蛛に糸を投げ、その糸を登ってきた女の蜘蛛と夫婦になります。子どもがたくさんでき、蜘蛛の巣は大変にぎやかになりました。
朝、庭で見つけた蜘蛛も下を通りかかる女の蜘蛛をじぃっと待っているのかも…。そう思うと、小さな蜘蛛が無性にいとおしくなりました。
で、金曜日の朝、蜘蛛にあいさつに行きました。なんと女の蜘蛛がそばにいるではありませんか。
上にいるのが女の蜘蛛です。
木曜から金曜日にかけて、下を通りかかった女の蜘蛛に糸を投げ、女の蜘蛛はその糸を伝って登ってきたのだろうと思いました。小さな蜘蛛のくせになかなかやるなぁ、と感心しました。子どもができたら蜘蛛の巣がにぎやかになるだろうなと、ちょっと楽しみにしていました。
で、今日、土曜日の朝、どうしてるかな、と蜘蛛の巣を見に行って撮った写真がこれです。
女の蜘蛛がいなくなっていました。わずか一日で別れてしまったのでしょうか。ケンカをしたのかどうかわかりませんが、蜘蛛の世界にもそういうことがあるのか、と妙に安心(?)したりしました。