ぷかぷかでは毎日帰りの会で「いい一日でしたか?」という質問をします。いい一日の積み重ねが、いい人生につながると思っているからです。みんながいい人生を送る、豊かな人生を送る、それこそがぷかぷかの大きな仕事だと思っています。
彼らだけでなく、彼らを取り囲むスタッフ、地域の人たちもみんなでいい人生を共有したいと思っています。演劇ワークショップは、その最たるものです。
いろんな人がいっしょに芝居作りをする楽しさを共有します。ふだんの何倍もの濃厚な時間で満たされている舞台を、いっしょに生きます。 「舞台を、いっしょに生きる」 人生の中で、本当に貴重な体験だと思います。舞台をいっしょに生きた一日は、どんないい一日になったんだろうと思います。
「障がいのある人たちといっしょに生きていった方がいいよ」というメッセージは、こんなふうに「いい一日」「いい人生」を共有しようよ、共有した方が、お互い豊かになれるよ、というメッセージです。
「共有した方が、お互い豊かになれる」ということが、ワークショップをやるととてもよくわかります。
演劇ワークショップの記録映画『ぷかぷか』の中で、参加した地域の方が「どうして彼らといっしょだとこんなに楽しいんだろうね」とつぶやくところがあります。私たちが思ってもみない言葉、発想が彼らからどんどん出てきて、本当に楽しい時間、空間ができます。
彼らとフェアに向き合い、彼らの自由な発想が、私たちの発想とフェアにぶつかり合う、そんな豊かな時間、空間を共有できるのがワークショップです。
その結果として、ワークショップは新しい豊かな文化を生み出していることが評価され、昨年「読売福祉文化賞」を受賞しました。
「障がいのある人たちといっしょに生きていった方がいいよ」というメッセージは、社会を豊かにしている、ということです。