ヨッシー画伯は午前中畑に行き、午後、『畑の物語』を書きました。
お話の展開はよくわからないところがあるのですが、土に中に青虫がいて、お腹がぺこぺこで、ぷかぷか農園のラディッシュをかじり、「これは大変だぁ〜」と叫び、そんなある日、青虫がぴょこんと出てきた、という、なんだか楽しいお話です。
このあと、30分ほどたって物語が完成し、絵も描き添えてありました。
茄子の葉っぱの上にニセテントウムシがいて、葉っぱのごちそうを食べていました。もりもり食べているので「食べ放題です」と書くあたりがなんともおかしいです。こうしてラディッシュはこんなになってしまい、と青虫に食べられたラディッシュの絵が丁寧に描いてあります。絵がすばらしくいいです。
その下にはカラフルな青虫。おいしそうにもぐもぐやっています。満足そうな顔がいいですね。平和だな、って思います。足がかわいくて、色合いがよくて、しっぽがおかしいですね。足には表情があります。
その下には食べ放題の葉っぱをもりもり食べているニセテントウムシ。背中の色がきれいです。
葉っぱに穴が開いて、ぷかぷか農園はさびしくなりました。とあります。
ぷかぷか農園はさびしくなりました。という終わり方がすばらしいと思いました。
宮澤賢治の『グスコーブドリの伝記』にこんな場面があります。
ブドリが学校へ行くようになりますと、森はひるの間たいへんさびしくなりました。
ここは森がさびしがっているのだろうと思います。ヨッシーの物語も、ぷかぷか農園がさびしく思っているのだと思います。この発想がすばらしいですね。
虹はさびしさを消すように描きこんだのかも知れません。
『グスコーブドリの伝記』は、このあとこんなふうに続きます。
そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの木の幹に、赤い粘土や消し炭で、木の名を書いてあるいたり、高く歌ったりしました。
かつて子ども達の遊びはこんなにも豊かだったんだ、と私はこの場面が大好きです。
さて、ヨッシーの描く「ぷかぷか農園」はこのあと、どんなふうになるんでしょうね。明日、ヨッシーに聞いてみます。
ヨッシーは毎日たくさんの絵を描いていますが、絵を描きながら、こんな物語が頭の中を駆けめぐっているのだと思います。