今朝の朝日新聞の「折々のことば」
《 「ねえ、チキンのヘリコプターに乗ったらなあに?」「そんなのに乗ったら、おズボンが油だらけになっちゃうぞ」
人類学者は,調査でアフリカに同行した自閉症の長男と一日に何十回とこの問答を繰り返した。そして不思議なこの質問を、彼にすっとさしのべられ、その腕を捕らえて離さない息子の「手」と同じものと感じた。語らいの中で人は他者とのつながりを確かめる。歌唱と同じくで、意味ではなく身体を通して支え合う。 》
セノーさんが毎日のように私の目をのぞき込み、「目、白いねぇ、どうしてですか?」を延々繰り返すのは、私とのつながりを確かめ、お互い支え合っているんだと、あらためて思いました。
7年前、養護学校でセノーさんを担任しているときに、毎日のようにマックに行って太る一方だったセノーさんに、一緒に給食食べながら
「セノーさん、目が赤いねぇ、これ、ひょっとしてマックに行きすぎて、糖尿病になりかけてるんじゃない?これ、やばいよ、もうマックやめた方がいいよ」
と、思いつきでいったことがきっかけで、今につながっているのですが、それが今はお互いのつながりを確かめる大事な手段になっていることがおもしろいなと思いました。
事務所で毎日このやりとりをしたあと、一緒に郵便局に入金に行くのですが、セノーさんは必ず手を繋いできます。私もぎゅっと握り返し、今、このときのセノーさんとのつながりを確かめています。
https://www.youtube.com/watch?v=odnP4M25kNY&feature=youtu.be
セノーさん以外にも、毎日同じことを繰り返しいってくる人が何人もいます。みんなつながりを確かめているんだと思いました。