読売福祉文化賞の副賞100万円が入り、ぷかぷかはさぞ裕福になったのではないかと思われる人が多いのですが、残念ながら使い道が決められていて、ワークショップの運営資金にしか使えないのです(ワークショップの企画で申請し、それが評価されて受賞に至ったので)。
ワークショップの運営資金はワークショップの進行役、ピアニスト、舞台監督、照明係、ピアノ調律などの人件費と、ワークショップの会場費(毎回リハーサルルームと会議室2部屋を使います)、発表会に使うホール、楽屋、リハーサルルーム、会議室、ピアノ、照明、音響器具などの会場費です。
ワークショップは月一回集まって6ヶ月かけて芝居を作ります。発表会のある月は追い込みのため、月に2回集まります。ですからワークショップの回数は6ヶ月で7回、それに発表会が加わる形で人件費、会場費の経費が計算されます。
発表会は1日ですが、仕込み、リハーサルがあるため、ホールは楽屋も含め2日間貸し切りになります。照明器具、音響器具、ピアノなどの付帯設備も2日間借ります。舞台監督、照明、音響などの人件費も2日分で、これらを合わせると発表会の舞台を作るのに約50万円かかることになります。
この舞台に50万円!
ちょっとびっくりですが、でも50万円では買えない《新しい価値》をこの舞台では生み出したと思っています。
ピアニストはこだわりの強い方で、ピアノの調律はキースジャレットが日本に来るときに指名するピアノ調律師と同じ調律師を指名します。
ピアノは神奈川県で一番といわれるグランドピアノで、夏も冬もエアコンで温度、湿度が一定に保たれた部屋に厳重に保管されていて(私なんかよりはるかにいい環境で過ごされています)、本番前日に部屋から出して調律します。
舞台の費用に、ワークショップ進行役、ピアニストの人件費、ワークショップ会場費を加えると、6ヶ月に亘るワークショップで、ざっと150万円かかります。今まで獲得した助成金が80万円弱。不足分70万円強を読売福祉文化賞の副賞100万円でまかないます。
30万円の余裕がでるのですが、今年度のワークショップはまだ終わっていないので、その予備費として取っておきます。もし余れば、来年のワークショップのための資金になります。
ワークショップは毎年様々な助成金の申請書を書くのですが、必ずしももらえるわけではありません。今年は6本申請して、パスしたのはわずか2本。今年もらえたから来年もまたもらえるわけではなく、またゼロからの出発です。
というわけで、楽しいワークショップも、その裏では資金をどうやって工面しようかとタカサキはいつも頭を抱えています。だったらやめればいいじゃん、とも思うのですが、こんなに楽しいことはそう簡単にはやめられないと、もう来年度のスケジュールを考え始めたりして、これはもう病気です。
といいながらも、まじめな話、横浜アートサイト(横浜市文化観光局)、日本財団などがワークショップの意義を高く評価しているので、しばらくは続けていく予定です。評価しているからといって、毎年無条件で運営費を出してくれるわけではなく、あらためて申請書を書き、審査されることになります。なぜワークショップをやるのか、ワークショップで何を作り出すのか、社会的にどういった意味があるのか等々、毎年必死になって考えます。この緊張感が、ワークショップの質を高めています。
昨年のワークショップの記録映画『ぷかぷか』のアンコール上映会は来年1月7日みどりアートパークホールでやります。
午前と午後の上映の間に、ぷかぷかのパンと釜飯弁当を販売します。釜飯弁当はすぐになくなります。食べたい!って方は、予約を。923-0277おひさまの台所
今年度のワークショップの発表会は来年2月14日(日)にみどりアートパークホールです。詳しいスケジュールは後日発表します。