今週、養護学校のPTA主催の講演会があります。ぷかぷかがなにを目指し、どんなことをやってきて、何を作りだしたか、といったことをお話しする予定ですが、保護者の方たちが未来に向かって希望を持って前に進めるようなお話ができれば、と思っています。
障がいのある子どもと一緒に、希望のある未来を切り開いていけるような,そのヒントになるようなお話…
昨日の理事会で、社会に障がいのある人たちを適合させていくのか、それとも障がいのある人たちに社会を合わせていくのか、といったことが話題になったのですが、その話の中で、障がいのある子どもを抱えたお母さんで、厳しい訓練を希望する方が多いんですよ,という話を聞き、なんとも気が重くなりました。
昔養護学校に勤めている頃、給食の時間、なかなかものを食べない子どもがいて、口から出そうとしている食べ物を無理矢理口に押し込んでいる教員が時々いました。これも大事な指導なんだといってましたが、私は見ているのも辛くて、そんなやり方はおかしいんじゃないか、といったのですが、いや自閉症の子どもにはこういう指導が必要なんだ、と言い張っていました。
厳しい訓練というのは、そういう方向性を持っています。でも、そんなことで食べられるようになっても、そこにはおいしいものを食べる楽しさとか、幸せに思う気持ちなんかないような気がします。食べる、というのは、一つの「文化」だと思います。嫌なものを無理矢理食べさせるのは、その文化がどんどんやせ細っていくような気がします。
心が寒くなります。
そんな時代の中で、私たちはどうしたらいいのか、ということです。ものを食べない子どもがいたとき、無理矢理食べさせるような指導、あるいは訓練に任すのか、もう少し違う方法を私たち自身で考え出すのか、ということです。簡単に答えは見つかりません。でも、そこで私たちがほんとうに必死で考え、悩み抜くところにこそ、希望があり、答えがあるように思うのです。考え抜き、悩み抜くことで、私たち自身が変わること。そのことがとても大事だと思います。そうやって社会は少しずつ変わっていくのだと思います。
hanaちゃんのお母さんも、昔はhanaちゃんを何とか社会に合わせていこうと必死になっていろいろやったそうです。でも、あるとき、hanaちゃん自身が今幸福に生きていることに気がつき、すごく楽になった、といっています。
もちろんこれですべて問題が解決したというわけではなく、昨日もhanaちゃんに髪の毛を引っぱられて、痛い思いをしながら似顔絵を描いてもらったり、プラバンをやったりしていました。そういう辛いことも引き受けながら、hanaちゃんのそのままを引き受けようとしているお母さんに私は拍手を送りたいのです。
《無理しないで、そのままのあなたでいいんだよ。》
ぷかぷかが作ってきたものは、まさにそんなメッセージではないかと思うのです。そのままの彼らが、ぷかぷかを作っています。講演会では、そんなことが伝えられたら、と思っています。