オペラ「ロはロボットのロ」の主人公テトは、ロボットとしては性能の悪い、でも、きわめて人間くさいロボットです。最初の自己紹介の歌で
♪ 僕はロボットです
でも空は飛べません
走るのは苦手です
泳ぐのも苦手です
ケンカは苦手です
算数は苦手です
鉄棒は苦手です
跳び箱も苦手です
犬も苦手です
お化けも苦手です
ピーマンも苦手です
苦手なものを数えると
両手の指と足の指を足しても、足りません
僕が得意なもの
たった一つだけ得意なもの
それはパンを作ることです
僕はパン製造ロボットRKJ502A001
名前はテトです
オペラ「ロはロボットのロ」は、この性能の悪い、人間くさいロボット「テト」の冒険の物語です。
テトが対決する魔女も、歌をよ〜く聴いていると、結構いいこと言っているのです。
魔女はロボットが大嫌いです。でも、それなりにまっとうな理由があるのです。
かつてお化けや精霊、妖精やらは人間の仲間だった。この世界には不思議なことがたくさんあり、そこにお化けや精霊、妖精がいた。ところが科学はその不思議な世界を隅に追いやってしまった。私たち魔女はそのせいでこの世界から居場所を失った、というわけです。ロボットは科学の象徴です。
すごい問題提起だと思いました。
ぷかぷかカフェの前に大きなケヤキがあり、そこにはトトロが住んでいる、と信じている子どもが何人かいます。時々その子どもたちとわくわくしながらトトロの話をしながらケヤキを見上げます。トトロなんているわけがない、と思う大人たちよりも、はるかに豊かな、楽しい世界を子どもたちは生きています。そしてその子どもたちとトトロの話をして盛り上がる時は、私自身とても楽しい、幸せな時間を過ごすことができます。
オペラ「ロはロボットのロ」に登場する魔女は、私たち自身が見失っている不思議な世界を生きているのです。魔女の歌が子どもたちに届くといいな、と思っています。
魔女の歌、しっかり聞いてください。
オペラ『ロはロボットのロ』の公演は7月19日(日)午後2時より「みどりアートパーク」ホール
チケット、残り少なくなっています。ぷかぷかのパン屋(921−0506)、もしくはみどりアートパーク(986−2441)へお問い合わせください。