まーさん、久しぶりに「死にたい病」が出ました。先週木曜日の午後、何がきっかけだったのか深刻な顔をしてやって来ました。手にした紙には
「しにたい しにたい しにたい どこにいてもたのしくない つらい 今、たすけてほしい…」
といった言葉が延々書き連ねてありました。
「どうしたの?」
と聞いても、何か辛さをぐっと我慢している感じで、そのうち涙がぽろぽろ流れてきました。全身で辛さを我慢している感じでした。
「今、たすけてほしい」
と書いてあったので、
「三宅先生(いつもかかっている心療内科の先生)に電話して相談しようか」
「はい…」
と、絞り出すような声。
すぐに電話し、事情を話すと、
「今出張中ですが、携帯の番号教えますので、すぐに電話してアドバイス聞いてください」
と、事情を知ってか、親切な対応をしてくれました。で、三宅先生に電話し、どう対応すればいいのか聞きました。
自傷行為をやっていないか、声の感じはどうか、薬を飲んだかどうか…などなど、いろいろ聞かれました。説明している間、まーさん、そばでずっと涙を流していたので、
「三宅先生と話をしてみる?」
と電話を渡しました。しゃくり上げ、うまく話ができないようでしたが、三宅先生に
「大丈夫、大丈夫、明日病院においで」
といわれ、ようやく落ち着いたようでした。
明日朝一番を予約しました。
「今の気持ちをいっぱい書きつけたこの紙、まーさんの気持ちがいちばんよく出てるし、三宅先生に見せた方がいいね」
「はい、そうします」
「そうそう、この間さぁ、まーさんがクジラにのって空を飛んだ時の写真、三宅先生にメールで送っておいたんだよ。先生は、いいね!すごいね!っていってたから、南の島の大王の絵を描いていったら、先生喜ぶと思うよ」
さっきまでの暗く引きつった顔が、少し緩んで
「はい、そうします」
といい、これでもう大丈夫かな、と思いました。
そして金曜日の朝、暗い顔ながらもちゃんとぷかぷかに来て待っていたので一安心。
「きのうたのんだ南の島の大王の絵、持ってきた?」
「はい、持ってきました」
と見せてくれました。しにたい、しにたい、と大騒ぎしながらも、こういう絵を描いてくるなら、まだ死なないなと確信しました。
病院に行き、さっそく昨日書いた紙を見せました。
三宅先生曰く
「あのね、こんな大きな字で、しにたい、しにたい、って書く人は絶対に死なないんだよ。本当に死にたい人は、もっと小さな字で書くんだよ」
(いや〜、うまいなぁ、と思いました。)
まーさん、ようやく笑顔になりました。
南の島の大王の絵も見せました。
三宅先生は
「すばらしい絵だね。こんな絵を描く人は絶対に死なないよ」
といってくれ、まーさん、今回も「死にたい病」から脱出しました。