7月19日(日)のオペラ「ロはロボットのロ」の公演の前に、出演する歌役者さんを呼んで、いっしょに楽しく歌を歌う「歌のワークショップ」をやります。オペラの歌役者といっしょに歌を歌うなんて機会は滅多にありません。
6月13日(土)、7月4日(土)、午後の1時〜3時、みどりアートパーク地下1階リハーサルルームです。
こんにゃく座のオペラは西洋のオペラとは全く違って、日本語の歌がしっかり届いてくるオペラです。歌でないと表現できない世界をしっかり届けてくれます。
私は昔「オペラシアターこんにゃく座」の『セロ弾きのゴーシュ』を見て、こんなにおもしろい世界があったのかと、以来、もう30年近くこんにゃく座の歌芝居の「追っかけ」をやっています。歌でしか伝えられない世界、歌だからこそ伝えられる世界があることを、このとき知った気がします。
学校でも『セロ弾きのゴーシュ』を何度か舞台でやりました。何度かやっていくうちに、ここで歌を入れると、芝居の世界がグ〜ンとひろがる、芝居がグ〜ンとおもしろくなる、といったことがだんだんわかってきました。
たまたま同じ学年に作曲ができる教員がいた時は、一つの芝居の中で五つも六つもオリジナルな歌を依頼しました。「ここは元気な感じ」とか「ここは暗い感じ」とかで依頼します。
宮澤賢治の『注文の多い料理店』をやった時は、怪しい世界に入るぞ、というメッセージとして、物語のはじまりの部分に原文を取り入れ、それをちょっと不気味な雰囲気で歌ってみようと思いました。言葉でくどくど説明するのではなく、一つの歌でいきなり怪しい世界に引きずり込むのです。
「風がどうと
これを短調で、声が裏返るような雰囲気で歌って見ようと思ったのです。ところが同僚が作曲した曲は何度聞いてもイメージに合いません。困ったな、と思っている時、たまたまそばで歌った女の子の歌が、妙に調子が外れていて、その外れ具合がなんとも言えず怪しい雰囲気で、これで行こう!と決めたのでした。この怪しい雰囲気こそ、歌でしか表現できない世界でした。
「ロはロボットのロ」は歌で表現する世界の豊かさを存分に伝えてくれます。たくさんの子どもたちにこの豊かさに是非ふれて欲しいと思っています。
歌のワークショップには二人の歌役者がやってきます。井村タカオさんと飯野薫さんです。
井村さんはもう20年以上こんにゃく座で活躍されていて、とにかく歌がうまいです。芝居もうまいです。ひょうひょうとして、とぼけた味が魅力です。昔子どもを連れて見に行った「ロはロボットのロ」では、主役テトをやっていました。これを見てからうちの娘は井村さんのファンになりました。今回の「ロはロボットのロ」では、ココのお父さん、ドリトル博士をやります。
飯野さんは昨年「銀のロバ」でデビューした歌役者さんです。とにかく元気のいい役者さんです。「ロはロボットのロ」では元気なココ役をやります。先日あった東京公演では、全力投球の演技に、ちょっとほろっとしました。
1991年入座 千葉県出身 10月8日生
〈主な出演作品・役名〉
オペラ「ロはロボットのロ」エド役ほか
オペラ「まげもん-MAGAIMON」茂平役
オペラ「銀のロバ」シェパード・チューイ役
オペラ「森は生きている」2月の精+カラス役
オペラ「金色夜叉」荒尾譲介役
オペラ「ねこのくにのおきゃくさま」旅人・あに役
オペラ「ネズミの涙」ニッケル役
オペラ「ピノッキオ」ピノッキオ役
あちゃらかオペラ「夏の夜の夢~嗚呼!大正浪漫編」ガタロ役
オペラ「セロ弾きのゴーシュ」ゴーシュ役
〈私の好きな音〉
子供の頃は雪を踏むとギュギュと音がして、楽しく、好きだったなぁ。
大人になってからは、小川のせせらぎかな。癒されます。辛いことも全部流してもらって…
2012年入座 東京都西東京市出身 11月13日生
〈主な出演作品・役名〉
オペラ「ロはロボットのロ」ココ役ほか
オペラ「銀のロバ」ココ役
オペラ「森は生きている」7月の精+むすめ役、8月の精+オオカミ+リス役
〈私の好きな音〉
歯磨きをする音をきくのががすきです。人によって強い音だったり弱い音だったり、歯ブラシの柔らかさによっても違ったりします。わたしのおすすめは電話越しに聴く歯磨きの音。あれはたのしいです。はじめて電話越しの歯磨きの音を聴いた時はびっくりしたけど、とてもおもしろくて笑ってしまいました。それからはもうやみつきで、夜に誰かに電話する度に、歯磨きした?とか聞いては不振がられていました。