ぷかぷか日記

タイとさほど変わらない話

 パン屋で研修中のカンチャナーさんが、ぷかぷかの利用者さんたちととても楽しそうにおつきあいしているので、タイでパン屋はじめるなら障がいのある人たちと一緒に働くパン屋にしたらどうですか?タイに日本のような福祉制度があるなら、福祉サービスの報酬も入り、運営を支えてくれますよ、といった話をしました。

 昨日の料理教室に旦那さん(日本人)もいっしょに見えたので、そのあたりの話をしました。いろいろ調べましたが、タイには日本のような福祉制度はないようです、というか、ぷかぷかのような活動に価値がある、という見方がタイにはまだありません、とおっしゃっていました。つまり福祉活動への評価が日本ほどない、という話でした。

 福祉制度はあっても、福祉活動への評価があるかどうかは、どうかな、という感じはあります。ぷかぷかが始まった当初、うるさいだの目障りだの、様々な苦情の中で、正直心が折れそうになったことが何度もあります。ぷかぷかでやろうとしたことと、世間の評価のあまりのずれに、なんのためにぷかぷかを始めたのか、落ち込む日々が続きました。

 福祉活動がどうこうよりも、とにかく障害者はいやだ、というマイナスの評価が露骨でした。どんなにマイナスの評価を受けようと、それでも彼らの魅力に変わりはないし、障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ、と言い続け、街の人たちが彼らといい出会いをするのをひたすら待ち続けました。

 いろいろバッシングはありましたが、それでも少しずつ彼らと出会い、お店に来るとホッとします、と言ってくださるお客さんが増え始めました。そういうお客さんが、今にもこけそうなぷかぷかをしっかり支えてくれました。本当にうれしく思いました。

 ぷかぷかの福祉活動を評価した、というより、利用者さんの仕事ぶりの評価であり、商品の評価であったと思います。そういったことをひっくるめてぷかぷかの活動を福祉活動、というなら、その評価は上がったと言っていいと思います。

 

 日本ではなんとなく福祉活動を評価する雰囲気があるのではなく、評価されるだけの活動をやっていかないと、タイとさほど変わらないんだと、この5年を振り返ってあらためて思います。

 

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