朝、完成したばかりの映画のDVDを持ってきた宮沢さんと会いました。
映画の上映会の時に、昔書いた本と、今のぷかぷかを語るような本を書いて売りたい、と話をしたところ、
「タカサキさんは思いが熱すぎるから、第三者の少し冷めた目でぷかぷかを書いた方が、読む人には伝わるんじゃないの」
といわれてしまいました。全くその通りだと思いました。
「じゃあ、宮沢さん書いてよ。文章うまいし(以前、超未熟児で生まれた娘さんのことを書いた『ミラクルベイビー』には、泣かされたことがあります)、映画を見てぷかぷかへの宮沢さんの思いも,すっごくわかったし、宮沢さん書いてくれるとうれしいな」
というと、
「う〜ん、上映会用の映画の編集が終わったら考えてみる」
と、まんざらでもないようでした。
宮沢さんの今回の記録映画には、ナレーションが全くありません。インタビューと、ぷかぷか日記の言葉だけで、メッセージを組み立てています。組み立て方がすばらしくうまいと思いました。
宮沢さんの『ぷかぷか物語』を見た感じがしました。その語り口が、ほんとうにうまいです。
表現の市場での本番舞台の映画を見る前に、カメラを回しっぱなしの映像を見ていたのですが、宮沢さんの編集した映画を見て、
「映画を編集するって、こういうことか」
って、宮沢さんの力をまざまざと見た気がしました。だらだら続く映像が、編集することで、一つの物語になるんですね。その物語は、宮沢さんのぷかぷかへの熱い思いそのものでした。
発表会の舞台は,それ自体が一つの物語であり、すばらしい作品です。でもそれを編集すると、元の作品以上の物語というか、もう一つの物語、つまり『ぷかぷか物語』が見えてくるんですね。『森は生きている』ぷかぷか版、を語りながら、実は、もう一つの物語を語っていた、というわけです。
上映会用に1時間ぐらいに編集してもらえないか、と何度も頼んでいるのですが、本番の舞台の37分間は絶対にさわりたくないので(つまりそのまま見せたい)、1時間に編集するのは無理!と強く言い張っています。本番の舞台の映像はそのままでないと、あの舞台の良さは伝わらない、というわけです。
DVDのdisc1は本番の舞台をそのまま使い、その前後に編集した映像を入れているのですが、それだけで、伝わってくるのものが全く違っていました。
そんなワザを持っている宮沢さんに、ぜひぷかぷかの本を書いて欲しいと思いました。ぷかぷかがやっていることの意味が、客観的に見えてくると思います。
楽しみですね。こういうことは、楽しみにしていると、案外実現するものです。ですから本気で楽しみにしてましょう。私も本気でぷかぷかの本をまとめたいと思っています。二つが並ぶと、すっごくおもしろいと思います。中からの目線で書いた本と、外からの目線で書いた本と。それに映画が重なったら、どれほどおもしろいことになるか、考えただけでわくわくします。
わくわくすることは、実現しないと損!です。またしても「お〜し、やるぞ!」っていう気が起こってきました。