日経ソーシャルイニシアチブ大賞を狙って、申請書を書き始めたのですが、「事業の目的」と「ミッション」の違いがはっきりしなくていきなり初っぱなから行き詰まってしまいました。去年は「事業の目的」は「障がいのある方の就労支援」、「ミッション」は「お互い気持ちよく生きていける社会を実現する」と書いているのですが、書いた私自身が、これでよかったのかなぁ、と思ったりするくらいなので、あらためて書こうとしてもどうもすっきりしません。
顧問契約を結んでいる社会保険労務士事務所の所長に電話し、意味の違いを聞きました。「ミッション」はどちらかと言えば、社会を変えていく、といったことまで踏み込んだ「使命」という説明でしたが、これも結局わかったようなわからないような感じでした。
もう無理に外国語を使わないで、わかりやすく書くのがいちばん、と思い、もう一度、何が社会的な課題で、どうやってその課題を解決し、その解決の仕方の独自性をどう語るか、というところで整理してみました。
去年の申請書を読み直すと、言いたいことがありすぎたのか、話題が多方面にわたり、これでは審査する方も途中で投げ出したのではないか、と思われるくらいでした。で、今年はとにかく話題を絞ることにしました。
書きたいことは、以前にも書いたと思うのですが、瀬谷区役所の外販で、利用者さん自身が、社会的な課題を解決の方向に持って行っているのではないか、ということです。
外販の収益をいちばん支えているのは彼ら自身です。彼らの人としての魅力がお客さんを呼び、収益を驚異的に伸ばしています。ここを結論とします。
では社会的な課題は何でしょう。生産性というところから見ると、一般的には彼らは普通の人より劣るといわれ、一般の会社で働くことがきわめてむつかしい、ということがあげられます。彼らがいると生産性が落ち、収益が減る、というわけです。だから彼らは社会から疎外されることになります。彼らを社会から疎外するとき、普通といわれている人たちも、実は社会から疎外されています。そのことこそがほんとうは問題なのだと思いますが、そこまで広げていくと、また収拾がつかなくなるので、とりあえず、生産性が劣るが故に、彼らが社会から疎外されている、というところで話をとめておきます。
生産性が劣るといわれながらも、ぷかぷかでは彼らがいるおかげで外販での収益が伸びています。彼らが働いていることは、ぷかぷかの大きな魅力になっていて、その魅力が収益を底支えしています。彼らがいなければ、ただのパン屋であり、ただのカフェで、なんのおもしろみもありません。
社会的な課題と、結論が見えれば、あとはそれをつなぐ物語を書けば申請書はできあがりです。と書けば、ずいぶん簡単そうですが、物語を書くのは結構大変です。でもここがいちばん楽しいところ。課題解決の独自性をどこまでアピールできるかで勝敗は決まりそうです。あ〜、なんか、わくわくしてきました。