ぷかぷか日記

新しい価値

 「表現の市場」に対して28万円もの助成金を出してくれた団体の方が4名、ぷかぷかの見学に来ました。「表現の市場」当日に取材に来られたのですが、ゆっくり話をするゆとりがなくて、あらためて今日、出直していただいたというわけです。

 ぷかぷかのいろんな話をしたあと、助成金の話をしました。日本財団の助成金の担当した方のセミナーを受けたことがあるのですが、

「助成金を出すかどうかの判断は、助成した金額以上の新しい価値をその団体が生み出すかどうかで決めます」

という言葉がとても印象に残りました。で、今回28万円の助成金をいただいたので、それ以上の新しい価値を「表現の市場」は生み出したと思いますか?と質問しました。

 「もう感動しました」「元気をいただきました」「本当にすばらしい舞台でした」「司会の方のアドリブの言葉がすばらしかったです」云々とべたほめだったこともあって、即座に「28万円以上の価値は十分ありました」の言葉をいただきました。

 ま、お金で換算できるものでもないので、そのあたりの判断はむつかしいのですが、印象としては助成した額以上の価値はあった、ということだと思います。

 そもそも「表現の市場」といった今までにない新しい事業に対して助成金を出したこと自体、奇跡に近いことだったと思います。パソコンを買うとか、改修工事をする、といったことは具体的で、わかりやすいのですが、「表現の市場」などというのは、そういったものに比べると、普通の人にとってはきわめてわかりにくいものだったと思います。でも、パン屋がこういうことをやる、とか、福祉事業所がこんなことをやることに、何か新しい可能性を感じた、といった話をされていました。

 新しい価値、ということについては、障がいのある人たちの表現というものの持つすさまじい力を、まるでぶちのめされたような思いで受け止めた、ということでしょうか。

  障がいのある人たちは「支援」の対象だと考えている人がたくさんいます。でも「表現の市場」の舞台に上がった彼らの表現を前にすると、「支援」などという言葉は、口にするのが恥ずかしいくらいです。いかに相手のことを知らず、思い上がっていたか、ということです。

「表現の市場」で提示された「新しい価値」を謙虚に受け止めるところから、もう一度彼らとの新しい関係を切り結びたいと思うのです。

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