ナベさんの実習が終わり、今日はその反省会。実習は5日間。毎日場所を変え、いろいろな仕事を体験しました。初日はカフェ、2日目はパン屋、3日目はお惣菜の厨房、4日目は工房でラスク作り、5日目はアートの実習をしました。毎日仕事が違うので、とても新鮮な5日間だったようです。
いちばん楽しかったのはパン屋。いちばん辛かったのは工房。でも、その辛かった工房にはちょっとかわいい女の子がいた、とうれしそうに話していました。
実習に来る方はだいたい緊張して、かわいい女の子がいるかどうかなんて、見回すゆとりはありません。それを、仕事は辛かったけど、かわいい女の子がいた、とうれしそうに言うあたり、なかなかの大物だと思いました。
「じゃあ、かわいい女の子もいるので、明日からぷかぷかで働きますか?」
と聞くと、
「いや、明日からはしばらく休みます」
といい、このあたりがナベさんのよくわからないところ。お母さんはここで休んでしまうと出てくるのがおっくうになるので、休ませずに明日から働かせたい様子。
あの手この手で明日から来るように誘いましたが、どうしても休むと言って聞きません。ナベさんはとても頑固です。
「ナベさんの気持ち、よくわかりました。やっぱり実習で疲れているので、明日はゆっくり休みましょう。で、明後日から働く、というのはどうですか?」
「ああ、そうですね。そうします」
と、意外とすんなり乗ってきました。
その1時間後。帰りの会の直前になって、
「あの〜、明日から来ていいですか?」
と、突然言いだし、
「ええ、もちろんいいですよ、どうぞ来て下さい」
こんなことなら最初に、明日から来ます、といえばいいのですが、こうやってぐるっと回り道するのがナベさんなのだろうと思いました。
明日から楽しみです。