デフパペットシアターのワークショップに参加するために、長野県の飯田までまーさん連れて行ってきました。
飯田は新幹線、飯田線を乗り継いで4時間もかかります。ふだんのまーさんなら絶対にそんな遠いところまで出かけたりしません。それが4周年記念イベントでやったデフパペットシアターのマキノさんのパフォーマンスがかっこよかった、といったのがきっかけで、マキノさんが一部進行役をするワークショップに参加し、マキノさんと一緒に人形を作り、その人形を持って舞台に立つところまで行きました。その後マキノさんの稽古場に行き、稽古を見学したあと、本番で使う人形を持たせてもらい、人形を動かす個人レッスンを受けました。
そのとき稽古していた『森と夜と世界の果てへの旅』の舞台をぜひ見せたいと思い、岐阜の公演をまーさん連れて追いかけていこうと思っていたのですが、飯田人形劇フェスティバルの舞台でラストシーンに一緒に立つ企画があり、ただ見るより、一緒に舞台に立つ方が100倍くらいいい、と思い、「飯田まで行こう!」とまーさんを誘ったのでした。
「え〜!長野?そんなところまで行けません」
と、そのときは言っていたのですが、2,3日おいてからもう一度誘うと、まんざらでもない感じ。数日後、
「飯田まで行くのにいくらぐらいかかりますか?」
と、聞いてきました。横浜からの高速バスがあって、4,000円と安いのですが、5時間もかかり、往復で10時間。これではワークショップをやったあと、もう本番は行かない、といいかねないので、新幹線と飯田線、もしくは高速バスを使うルートを提案。費用は往復で18,000円弱。まーさんにとってはかなりの大金なので、かなりの冒険的な提案でした。それでもまーさんはあっさり、
「いいです、それで行きます」
と、言ったのでした。
いつも暗い話ばかりで、毎週のように、もう仕事やめます、なんの希望もないので、もう死にます、と言っていたまーさんが、18,000円も払って長野の飯田まで行くといいだしたのです。
そんなことがあって、今日、飯田まで行ってきたのでした。飯田線は今日初めて乗ったのですが、山また山で、こんな山奥で人形劇フェスティバルをやるのか、とちょっと信じがたい心境でした。飯田は小さな、閑散とした町でした。こんな小さな町で、こんなすばらしい人形劇フェスティバルを企画した人たちに頭が下がる思いでした。
http://www.iida-puppet.com/index.html
デフパペットシアターの舞台になる会場までタクシーで乗り付け、ワークショップに参加。心と体をほぐしたあと、本番舞台で使う3拍子の歩き方の練習。体をほぐす延長にこの歩き方が自然に入り、進行の仕方がとてもうまいと思いました。自分でもワークショップをやっているので、とてもいい勉強になります。
デフパペットシアターの「森と夜と世界の果てへの旅」はジュジュマンという飲んべえが椰子酒を求めて世界の果てまで旅をし、ひどい目に遭い、最後はなんでも願いが叶う卵が割れて、世界の終わり、といった感じになります。その中でなおもジュジュマンが自分の足で前に向かってぎこちなく歩き始めます。アフリカの太鼓のリズムでぎこちなく歩き始めるジュジュマンの姿には、どんなの辛い中でも自分の足で歩いて行く、という希望があります。そのジュジュマンを支えるように、みんなで歩くのです。
舞台衣装を着てやる気満々のまーさん
ジュジュマンを支えるようにみんなで歩きます。
歩き方のレッスン。簡単なようでむつかしい。
真剣に説明を聞くまーさん
演出家の指示で何度も何度も練習しました。
8月10日(日)11時からリハーサル、13時から本番です。まーさんが、ぎこちなくとも、自分で前に向かって歩き出してくれれば、と思っています。ジュジュマンのように。