ぷかぷか日記

ツンさんが伝えたかったもの

 ツンさんの新しい映画を見ました。新しい映像編集技術を駆使した、なかなかおもしろい映像ではあったのですが、肝心な「旅の記録」の部分がほとんど伝わってこなくて、むつかしい作品だなと思いました。

 黒澤明とかチャップリンの無声映画の映像をふんだんに差し込んで、それなりにおもしろい映像に仕上がってはいるのですが、それで何を伝えようとしたのか、よくわかりませんでした。旅行の映像もかなり加工して取り込んではいるのですが、ほかの映像との関連がさっぱりわかりませんでした。

 今度ワークショップの映像記録をお願いしている映像作家さんにも見ていただきました。

 「おもしろい!」「すばらしく自由」「見る人にこびる気持ちが全くない」「素材を本当に自由に使っている」「デジタル編集技術がすごい」等々、新鮮な感想を言ってくれました。「人の作った映像ではなく、自分で撮った映像を使った方がいい」ともいってました。

 本人とも話しました。黒澤明の映像を使ったギャグが伝わらないのが残念、とかいってましたので、やっぱり何かを伝えたいのだろうと思いました。だったら利用者さんにも伝わるような工夫をした方がいいんじゃないかといったのですが、簡単な映像は作る気がしない、といい、どうも話がかみ合いません。

 映画を始めた3年前に比べると、技術的には格段の進歩を感じます。進歩を感じながらも、伝わってくるものがなくて、どうしたのかなぁ、と思っています。

 でも、映像作家の作った記録映画よりははるかにおもしろいものがあったので、ワークショップでは二人に撮ってもらって、全く違う映像にまとまるとおもしろいかな、と思っています。

 そうか!「記録映画よりもはるかにおもしろいもの」が、ツンさんが伝えたかったものか、と今、思いました。

 

 

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