4周年のイベントで谷川俊太郎の詩「はる」をみんなで朗読しました。詩は一人で黙って読んでもいいのですが、誰かに向かって声を出して読むと、言葉がむくむくと生き始めます。しかもみんなでそれをやると、生き始めた言葉がみんなをつなぎます。そのことを実感できるのがみんなで朗読することのおもしろさだと思います。
私自身、今回の稽古との時は久しぶりに気合いが入った感じがしました。学校と違って練習の時間がそれほどとれないことが残念でしたが、それでもみんなが朗読を始め、それにだめ出しをする自分の体に、熱いものが動き出すのがわかり、つい
「だめ!もう一回!」
なんて、大きな声を出したりしたのでした。
練習不足の上に、集中できるような舞台ではなかったので、なんとも中途半端な発表にはなったのですが、それでもお客さんを前に朗読することの緊張感はみんなが共有していて、それをびりびり感じることができました。そういったことを経験できたことがよかったと思います。
どうしてお客さんの前で詩なんか読むんだろう、とか、どういう意味があるんだろう、ってみんな思ったと思います。でもたぶん、お客さんの前で緊張しながら実際に声を出して読んだとき、どうして詩を読むのか、どんな意味があるのか、なんとなくわかったと思います。
何となくわかったあのときの自分の中の「ほてり」をしっかり記憶しておいてほしいと思うのです。それこそが人生にはずみをつけます。
人の前に立って自分を表現すること、それは自分を磨き、人生を豊かなものにします。