ムーさんは以前やっていた仕事は涙が出るくらいつらかった、といってましたが、私が養護学校の教員やっているときは、
「仕事というものはつらいものだ」
と教えていました。今から思うと恥ずかしい限りですが、当時は仕事に対してそういうイメージを持っていました。ですから
「いろいろつらいことがあっても、仕事なんだからがんばりなさい」
などと無責任なことを生徒にいっていました。ムーさんもそんな教師の言葉を聞いて、涙が出るくらいつらいときも、黙ってがんばっていたのかなぁ、なんて思うと、本当に申し訳なかったなと思います。
教員をやっていた頃は、仕事についてのイメージが、やはり貧しかったのだと思います。あるいは現場で仕事に向き合う卒業生たちを、丁寧に思い浮かべなかったということでしょう。
ぷかぷかを始めてから、毎日卒業生たちを間近に見ていると、彼らにつらい仕事をやってもらうことは、やっぱりできないと思うようになりました。仕事が楽しくないと、毎日がつまらないよな、と彼らの目線で考えられるようになりました。
一番決定的だったのは前にも紹介したミーちゃんの
「今は、まっすぐ前を向いて生きています」
という言葉でした。仕事がミーちゃんにそんな言葉を口にさせたのでした。
「仕事はつらいもの」「つらくても仕事は我慢するもの」
などといっていた教員時代の私に比べ、仕事との向き合い方が、なんて豊かなんだろうと思います。