仕事にはわくわくするような物語があった方が楽しいです。ぷかぷかカフェのメニューにはいつも楽しい名前をつけています。先月12月のタンドーリチキンのメニューには、たっぷりのリーフレタスの上にのっかったチキンの写真を見ながら思いついた「チキンさん、草原に昼寝する」という名前をつけました。
ふかふかの草原に昼寝するなんて、考えただけで気持ちよさそう。そんな気持ちのいい想像ができるって、それだけで得した気分。ただのタンドーリチキンでは、それ以上の想像はふくらまないし、ただ黙々と食べるだけ。
3月から始めるお総菜事業のお弁当の配達には「地域社会をデザインし直すようなものがある」なんて壮大なことを書いてしまいました。地域のお年寄りの方にお弁当を届ける仕事ですが、お弁当を配達したついでに、お話好きの利用者さんがお年寄りの方の話し相手になってきます。お年寄りの方がちょっと元気になるような楽しいお話ができればいいなと思っています。お弁当の配達はお弁当と一緒に、ちょっと心があたたかくなるものも届けてきます。こういったことは利用者さん=障がいのある人でないとできない仕事です。こういう仕事を積み重ねていくと、地域社会の中で、利用者さん=障がいのある人たちの評価は多分変わっていきます。利用者さんとおしゃべりして、ちょっと元気になったお年寄りの方が、またあの人に来て欲しいなってちょっとでも思ってくれたなら、すごく嬉しいなと思うのです。地域社会はこういうところから少しずつ変わって行くのだと思います。
またあの人に来て欲しいな、という思いが、あの人たちといっしょに生きていった方がいいね、ということにつながっていけば、それはお互いが気持ちよく生きていける社会につながっていきます。それが「地域社会をデザインし直すようなものがある」という意味です。
新しく始めるお総菜事業に、そんな壮大な物語がくっつくと、仕事に夢を持つことができます。仕事にはですから夢のある物語があった方がいいとつくづく思うのです。
「ぷかぷか」もその夢のある物語から始まりました。物語がこんな素敵なお店を作ってくれたのです。物語には、すごい力があるんだと、今、更に先へ進もうとしているぷかぷかを見ながら思います。