年賀状がやっとできました。木版はだんだん面倒くさくなって、今年は芋版にしようかと思い、馬になりそうな芋をさがしてやってみたのですが、簡単にできてしまう分、刷り上がったものはそれなりにもので、これはアカンと没にしました。31日に文房具屋に板を買いに行ったところ、「これからですか?」なんていわれましたが、これから追い込まれてやるのがいいんだ、とばれんと絵の具を一緒に買いました。
で、1日、ひたすら彫ってできたのがこれです。彫刻刀の切れ味が悪く、砥石で研ぎながら彫りました。彫っているときは本当に楽しいですね。縦書きの文字右から書くので、これは逆ですね。今、気がつきました。ま、愛嬌だと思って下さい。
子どもの小さい頃は一家5人分の顔とメッセージを彫ったので、彫るだけで毎年3日くらいかかっていました。年末は毎年のように子どもつれて旅していましたからフェリーの2段ベッドでずっと彫っていましたね。刷るのがまた大変で、インクがのりやすいようにはがきを少し湿らせ、版木にインクを丁寧に塗り、ばれんでごしごしこすり、1枚刷るのに最低でも5分はかかっていましたので、100枚くらい刷るのに3日くらいはかかっていました。ですから年賀状は毎年お正月が遙かすぎた頃出していましたね。
ちょうど10年前ですね。こういうエネルギーがなくなってしまって、ちょっと寂しいです。
ぷかぷかの年賀状、ことしは宛名をパソコンで作って印刷しました。時代の流れかと思いますが、なんか寂しいですね。
手作りのあたたかいものをみんな求めながらも、一人一人がだんだんそれをやらなくなって、だからこそ来年も木版の年賀状を作ろうとあらためて思ったのでした。もちろん宛名も手で書きますよ。