実習生の反省会がありました。自閉の方で、会話があまり成り立たない方でした。こちらからいろいろ聞いても、時々反応はありますが、ほとんど言葉が素通りしている感じでした。要するに自閉の方によくある、人と人との関係が成立しないのです。
彼とずっとつきあってきた先生の話だと、英語が好きだそうで、耳で覚えたのか発音が、とてもきれいでした。「痛い!」時は「ache!」と英語で叫ぶんだそうです。
ある日うさぎにえさやりながら「May I help you?」と聞いたそうで、笑ってしまいました。どういうつもりでうさぎに「お手伝いしましょうか?」なんて聞いたのかわかりませんが、それを英語で言ったところがミソというか、実に楽しい話です。生きてて幸せを感じるような話ですね。
「May I help you?」は、明らかに相手を意識しての言葉です。でも実習中、いくら話しかけても、こちらを向いてきちんと言葉が返ってきたことはありませんでした。にもかかわらず、うさぎが相手なら、こんなにも明確に相手に向かって言葉を発するというのですから、この世界はわからないですね。うさぎもきっとどぎまぎしてしまったんではないかと思いました。