ある養護学校にぷかぷかアート部門の説明に行きました。たまたまそこに昔ワークショップを一緒にやっていたイデグチくんを知っている教員がいて、あの人は本当に楽しい人だったね、という話になりました。
ワークショップの進行役をやっていた黒テントの役者ものけぞるほどの存在感があり、芝居の役者がいくら稽古を積んでも到達できない立ち居振る舞いを、ごく自然にやってのけていて、とにかくなんともいえないおもしろみのある人でした。ワークショップという場にとっては、本当に欠かせない存在でした。
こういう人とはいっしょに生きていった方が「得!」という気持ちは、彼のような存在が育ててくれたように思います。
彼が動く、話す、黙る、すべてがそのまま舞台になり、そのままアートだった気がします。そんなすばらしい存在が、実際の世間ではほとんど認められない、というか、彼の存在価値が生かせない現実世界がなんとも寂しい気がしました。
アート部門の先には、彼のような存在もしっかり認められるような世界を創り出したい、という思いがあります。