「ぷかぷか」の本を書こうと思って、今準備しています。
障がいのある人たちの働く場が街の中にできると、素敵な物語が始まる、といった感じの本です。
「ぷかぷか」は、ただ単に障がいのある人たちの働く場、ではありません。国産小麦、天然酵母のおいしいパンを売るだけのお店でもありません。二つの要素が組み合わさることで、新しい意味と広がりが生まれた気がしています。
パン屋では笑い声が絶えません。利用者さんとの楽しい会話がひっきりなしに飛び交うからです。パン屋のレジのそばにはいつも独り言をぶつぶつ言っている人がいます。厨房から出てきて、いきなり「兄弟はいますか?」なんて、お客さんに聞いたりする人もいます。なんともうるさいパン屋ですが、なんともいえないあたたかな雰囲気があります。
お客さんはおいしいパンと一緒に、そんなあたたかさを持って帰ります。パンを買いに来たはずなのに、心がぽっとあたたかくなって、ちょっといい気分で帰ることになるのです。ただのパン屋ならこんなことはありません。そこに「ぷかぷか」が街の中に存在する意味があります。
ちょっといい気分で帰るお客さんが増えると、地域社会が少しずつ変わってきます。どちらかといえば、障がいのある人たちを地域社会から排除する目線が、多分、少し和らぎます。
物語はまだ始まったばかりです。