運動会に参加した地域の方が感想に「霧が丘に来てくれてありがとう!」と書いてくれていました。
障がいのある人たちの施設の建設には地域住民の反対がつきものの中で「霧が丘に来てくれてありがとう!」は滅多にない反応です。
もちろんはじめからそういう反応があったわけではありません。
お店を作る前、商店会の集まりでいろいろ説明しましたが、どうして障がいのある人たちのお店を霧が丘に作るんだ、という歓迎しない雰囲気はどうしようもありませんでした。とにかくつきあってもらうしかありませんでした。
お店ができた当初は、パン屋の前で利用者さんが一生懸命声を張り上げて「おいしいパンいかがですか」という声がうるさいと苦情の電話が入ったり、飲食店の前を行ったり来たりする利用者さんがいると、落ち着いて食事ができないと苦情を言われたり、間違えてほかのお店に飛び込んで、ものすごい剣幕で叱られたり、とにかく半年くらいは針のむしろ状態でした。
それが1年たち、2年たちしているうちに、少しずつ地域になじみ、今は霧が丘の風景の一つとして定着した感があります。クッキー、ラスクの工房から、オーブンのあるパンの厨房まで5,6分の距離ですが、そこを毎日できあがったクッキー、ラスクを天板に載せて利用者さんが運んでいます。利用者さんはとにかくみんな一生懸命です。その一生懸命さが、天板を運ぶ姿からはビリビリと伝わってきます。その姿を地域の人たちはしっかり見ています。
そういう中での「霧が丘に来てくれてありがとう!」の言葉。嬉しくてちょっと涙が出てしまいました。