精神障がいの人が実習をしている。実習前の面接では、何を言っても全く笑顔が出なくて、笑顔という反応がないと、会話がぎくしゃくして、なんともやりにくい感じがした。いろいろ相手に気を遣ってもこんな調子では、知的障がいのあるメンバーさんとうまくやっていけるのかどうか、いささか不安だった。メンバーさんといい関係ができれば、ぷかぷかはすごく楽しい場になるが、そうでないと、ちょっと辛い場になるのではないかと心配した。
カフェで実習。包丁を使って野菜を切るとき、決してうまいのではないが、ただ左手で包丁を持って切った、というただそのことが「かっこいい!」と女の子達が拍手したりした。右利きの彼女たちにとって、左手で包丁を使うこと自体が、すごいことに見え、思わず「かっこいい!」と言ってしまったのだろうと思うのだが、そのひと言が実習生と彼女たちの距離を一挙に縮め、精神障がいのある実習生から「かっこいいお兄さん」に変わった。
この思ってもみない展開がすごく楽しいと思う。私の心配を押しのけるように「かっこいい!」なんて言ってくれた彼女たちに拍手!