押し入れを整理していて、昔アラスカのマッキンリーに登ったときのパネル写真を見つけた。カヒルトナ氷河から撮ったマッキンリーの写真はものすごい迫力があって、自分のことながらよくこんなところに登ったものだと、信じがたい思い。25歳の時のほとばしるようなエネルギーを思った。技術的な問題はもちろんあるが、それ以上に、あそこに登りたい!という思いの生み出すすさまじいエネルギーをパネル写真を見ながら思った。
計画段階で、そんなの無理だよとかいう声が多かった。でも、やってみないことには何事もわからないわけで、やる前から無理だよなんて言ってたら何もできない。で、とにかく行けるところまで行ってみよう、とどんどん先へ行ってるうちに、とうとう頂上まで行ってしまったというわけだ。
もちろん実際はそれほどのんびりしたものではなく、頂上直下ですさまじい地吹雪で動けなくなったときは、さすがにひょっとしたらダメかもしれないと思ったりした。
「カフェベーカリーぷかぷか」の計画もおんなじだなと今思う。1年前、準備がスタートした頃は、計画もぼんやりしたもので、夢を語る、といったものだった。それがパン教室を続けたり、いろんな人に相談したり、ビジネスプランを立てるセミナーに参加したり、それを試すべく横浜市の空き店舗を活用する商店街活性化のためのビジネスプランに応募したり、パン屋に修行に行ったりしているうちに、場所が決まり、設備の見積書を取ったり、レイアウト図を検討したり、といった段階まで来てしまった。
決して計画通りといったわけではなく、どちらかといえば行き当たりばったりの感じが多いが、それでもここまで来た。これからもっともっと大変になるだろう。マッキンリーも標高5000メートルを超えた辺りから極端に厳しくなった。あの時のように、行けるところまで行こう、ではすまない責任が今回はある。それでもマッキンリーの写真は今改めて勇気と言うか元気をくれたように思う。