学習発表会の舞台が終わりほっととしたところ。「ガジュマルの木とキジムナー」の芝居つくりはほんまに面白かった。二つの詩をまず作り、そこから芝居を起こしていった。
わしは ガジュマルの木 おじいさんの おじいさんの
そのまたおじいさんが まだわかかったころから
わしは ずっと ここに こうやって
えだをひろげてたっている
あめのひも かぜのひも もちろんはれのひも
ここにこうやって たっている そして
えだのかげには きじむなー
このガジュマルの木のイメージは、来年修学旅行で行く読谷村にある大きなガジュマルの木からヒントを得た。ガジュマルの木だけではお話が広がっていかない気がしたので、枝の陰にキジムナーを登場させた。そのキジムナーの詩
おれは きじむなー
ふるい おおきな がじゅまるのきが おれの すみか
あかるいうちは いちにちじゅう ひるね
よるになると ひゅわ~んと どこかへ とんでゆく
ひゅわ~ん ひゅわ~ん かぜにのって とんでゆく
さあ こんやは どこへいこうか なぁ ひゅわ~~ん
この二つの詩に曲をつけてもらった。ガジュマルの木は荘厳なイメージ、キジムナーは沖縄の音階を入れたはずむようなイメージ、という注文をだした。一ヵ月くらいして注文通りの曲が出来上がった。さっそくみんなで歌い、「キジムナーは、こんや、どこへ飛んで行くんだろう」という問題を各クラスで考えてもらった。7月にその発表会をやり、面白いものがあれば芝居に取り込むつもりでいたが、舞台に上げるにはちょっとという出来。
ここからが勝負だった。キジムナーがどこかへ飛んで行き、そこでの出来事と、沖縄の歴史がどこかで重なるようなお話…。沖縄の歴史で一番大事なのはもちろん戦争。それとガジュマルの木とキジムナーをどう結び付けるか。なかなか難しい問題だが、ここでいろいろ悩むのが芝居つくりの楽しいところ。たまたま以前舞台に上げた『トントンミーとキジムナー』というお話に出てくるキジムナーのやさしい心は戦争を解決する大事な部分。やさしい心は花を咲かせる。ガジュマルの木の精はずっと昔から歴史を見続けてきた存在。恐ろしい兵隊、楽しそうに暮らす親子、そういったプロットがいくつか並ぶと台本は一気に書きあがった。
大事なポイントに新しい歌を2曲入れた。大事なところはセリフよりも歌のほうがよく伝わる。何度も歌うことで、生徒たちにもその大事なところが入っていく。そして何よりも場が盛り上がる。
今回は歌に本当に助けられた。ガジュマルの木の歌もキジムナーの歌も、詩を作った時はなんということのない詩だったのだが、それが歌になり、何度も歌っているうちに言葉が詩を作った時のイメージをはるかに超えてむくむくと立ち上がり、生き始める気がした。歌の力をまざまざと感じた。すばらしい歌を作ってくれた西川先生に感謝!
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